代行協会員とは #
外国籍投資信託の有価証券届出書や目論見書などのファンドの仕組みの説明の中で出てくる専門用語の一つに「代行協会員」があります。
代行協会員とは、外国籍投資信託において、海外のファンドの管理会社や投資顧問会社に代わって、日本国内において、受益証券に関する目論見書の配布、受益証券一口当たりの純資産価格の公表、日本の法令および日本証券行協会規則により作成を要する財務書類などの配布などを行なう会社のことです。
ここでいう協会員とは日本証券業協会の協会員会社という意味です。このため、外国籍投資信託の基準価額等を含めたデータは、投資信託協会ではなく、日本証券業協会から公表されています。
代行協会員は、ファンドの管理会社との間で代行協会員契約を締結して、これら業務にあたります。多くの外国籍投資信託においては、代行協会員がファンドの管理会社との間で、受益証券販売・買戻し契約も締結して、日本における販売も行なっていますが、代行協会員と販売会社が異なるファンドもあります。
外国籍投資信託関わる主な関係者と役割 #
関係者 | 主な役割 |
海外の管理会社 | ファンドの設定・運用・資産管理を行う本体。外国籍投資信託の「運用者」 |
代行協会員(日本証券業協会会員) | 管理会社に代わり、日本国内で目論見書・決算書類・基準価額の公表、協会への届出、販売会社への資料提供を行う |
販売会社(証券会社・銀行など) | 投資家に受益証券を販売・買戻しする窓口 |
投資家 | 販売会社を通じて外国籍投資信託に投資 |
投資家から見ると、外国籍投資信託の商品情報や基準価額は「投資信託協会」ではなく「日本証券業協会」から公表されるという点が、日本籍の公募投信との大きな違いです。
代行協会員の役割 #
つまり、外国投資信託を日本国内において販売するためには代行協会員は不可欠となります。なお、代行協会員の役割については、日本証券業協会の「外国証券の取引に関する規則」において次のように規定されています(2025/9/16現在)。
第 21 条 代行協会員は、代行業務に係る外国投資信託証券に関する目論見書を本協会に提出するとともに、当該外国投資信託証券を顧客又は他の協会員に販売しようとする協会員に送付しなければならない。
2 代行協会員は、代行業務に係る外国投資信託証券について、その基準価格を公表しなければならない。
3 代行協会員は、当該外国投資信託証券に係る決算報告書その他の書類を本協会に提出するとともに、当該外国投資信託証券を顧客に販売した協会員に当該書類を送付しなければならない。
4 代行協会員は、代行業務に係る外国投資信託証券が選別基準に適合しないこととなったときは、直ちに、その旨を本協会に報告するとともに、当該外国投資信託証券を顧客に販売した協会員に通知しなければならない。
代行協会員の役割のまとめ #
代行協会員とは、日本証券業協会の会員会社で、外国籍投資信託の管理会社に代わって日本国内での業務を担う会社です。
目論見書や財務書類の配布、基準価額の公表、販売会社への情報提供などを行い、外国籍投資信託を日本で販売するために不可欠な存在とされています。