外国籍投資信託 #
外国籍投資信託とは、日本国内で販売されている投資信託の中でも、外国において外国の法令に基づいて設定された投資信託のことをいいます。外国投資信託、外国投信とも呼ばれています。
よく誤解されやすいのですが、外国籍投資信託は海外の株式や債券に投資する投資信託という意味ではありません。また、外資系運用会社が運用するファンドを意味するものでもありません。あくまでも設定及び根拠法が外国であるか日本であるかの違いによるものです。
通貨については、ドル建て、ユーロ建て、トルコリラ建て、豪ドル建て、ニュージーランド・ドル建て、英ポンド建て、スイス・フラン建て、円建てのものがあります。円建てであっても、設定がルクセンブルグやバミューダなど海外の場合は、外国籍投資信託となります。
国内で販売されている外国籍投資信託 #
2024年7月末現在、内閣府令の定めにより届出され、日本国内で販売されている外国籍投資信託は約790本あります。設定国としては、ルクセンブルグ、アメリカ、ケイマン諸島が中心です。また、通貨では米ドル建て、ユーロ建てが中心ですが、円建てのものも増えています。
日本国内で販売されている外国籍投資信託の中には、非常に長い間運用が継続されているファンドがあります。歴史の長いファンドに、BNYメロン・インベストメント・アドバイザー・インクの運用する「BNYメロン・ラージ・キャップ・セキュリティーズ・ファンド・インク」(1947年設定)、デーヴィーエス・インベストメント・ゲーエムベーハーの運用する「デーヴェーエス・イーエスジー・インベスタファンド」(1956年設立)、バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド(1970年設立)などがあります。
個人投資家に馴染みのある米ドル建てMMFやユーロ建てMMFも外国籍投資信託です。これらの外国投資信託の運用成績を、月に1度日本証券業協会のHPで公表しています。
外国籍投資信託の商品分類 #
外国籍投資信託は日本国内では、日本証券業協会により次のように分類されています。
- 株式型・・・主に株式を投資対象とするファンド
- グローバル型・・・全世界の株式等を投資対象としているもの
- 通常型・・・株式のみで運用するもの
- バランス型・・・株式の他、債券等も投資対象に含むもの
- 地域別型・・・特定地域の株式等を投資対象としているもの
- アジア・オセアニア地域型・・・アジア・オセアニア地域を投資対象地域としているもの
- 欧州・アフリカ地域型・・・欧州・アフリカ地域を投資対象地域としているもの
- 米州地域型・・米国・カナダ・南米を投資対象地域としているもの
- 日本型・・・日本を投資対象とするもの
- グローバル型・・・全世界の株式等を投資対象としているもの
- 債券型・・・債券等を投資対象とするファンド
- 通常型・・・投資対象範囲に株式が含まれず、確定利付証券のみで運用するもの(転換社債の転換による株式の取得は除く)
- 派生商品型・・・資産の全部または一部を先物、オプション、仕組み債などの派生商品で運用するもの
- MMF型・・・毎月分配の月末再投資型のみ
- その他・・・上記1および2に該当しないもの
- 不動産型・・・不動産に対する投資として運用されるもの
- その他・・・オルタナティブファンド(ヘッジファンド等の代替商品に投資し、基準価額等の算出に相当の期間を要するもの)およびいずれの分類にも属さないもの
外国籍投資信託のリスク #
外国籍投資信託は、日本で販売されていても、取引はドルやユーロなどの外国通貨建てとなりますので、為替リスクが伴います。為替が円高に進むと、たとえ外貨建てでのファンドの価格が変わらなくても、円に換算した場合のファンドの価格(価値)は下がることになります。
外国籍投資信託のまとめ #
外国籍投資信託は、海外で現地の法律に基づいて設立された投資信託で、日本国内でも販売されています。株式型や債券型、不動産型など多様な種類があり、為替リスクを伴う点が特徴です。日本で販売される場合、金融庁への登録が必要で、海外ETFなども含まれます。購入の際は目論見書で設立国や商品特性を確認することが重要です。