ファンド・オブ・ファンズ型ETF #
一般のETFは、株式や債券などに直接投資しますが、投資信託を投資対象とするETFがあります。このようなETFのことをファンド・オブ・ファンズ(Fund of funds)型ETFと呼びます。
ファンド・オブ・ファンズ型ETFは、資産を株式や債券などに直接投資するのではなく、それらに投資している投資信託に投資します。株式や債券には間接的に投資する形になります。
一般的なETFは、特定の指数への連動を目指して、指数が組み入れている銘柄を指数の構成比率と同じになるように組み入れます。例えば、東証株価指数(トピックス)に連動する投資成果を目指すETFであれば、東証株価指数を構成する銘柄を同指数と同じ構成比率で組み入れます。
一方、ファンド・オブ・ファンズ型ETFでは、複数の投資信託に投資することで、各資産に投資して、特定の指数への連動を目指します。
では、なぜ直接株式や債券に投資しないで、投資信託経由で各資産に投資するのでしょうか。理由はファンドにより異なりますが、いくつかの理由があります。
ファンド・オブ・ファンズが利用される理由 #
直接投資できない資産への投資が可能となる #
例えば、ETFは不動産に直接投資することはできませんが、J-REIT(不動産投資信託)に投資することで、不動産に投資したのと同じ効果を得ることができます。
具体例:
- NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)
- 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(1345)
- MAXIS Jリート上場投信(1597)
- 上場インデックスファンド (S&P/ASX200 A‐REIT) (1555)
機動的な配分の変更が可能となる #
例えば、リスクコントロール型のETFにおいて、市場の動向に応じて現金比率と株式投資比率を機動的に変更させたい場合、個別銘柄を購入、あるいは売却することで比率を変更するよりファンドの売買の方が容易に変更することが可能です。
個別銘柄に比べて投資信託の方が売買が容易である #
連動対象とするベンチマークを構成する銘柄数が膨大で、かつ多数の市場にわたる場合、ファンドのパフォーマンスをベンチマークの値動きに連動させるために株式等を売買するのにはかなりの手間や時間がかかります。迅速かつ低コストでの連動を実現させるために、個別銘柄で対応するのではなく、ベンチマークと同じ銘柄で構成された投資信託を活用することがあります。
純資産額が小さくても広範をカバーするベンチマークへの連動が可能となる #
ベンチマークを構成する銘柄が膨大で、一方で、ETFの純資産総額が小さい場合、ベンチマークを構成する銘柄を全て同じ割合で保有することが困難なことがあります。そのような場合に、ベンチマークに連動するより大きな投資信託に投資する方が効率的な運用が可能となります。
ファンド・オブ・ファンズ型ETFまとめ #
ファンド・オブ・ファンズ型ETFは、株式や債券などに直接投資するのではなく、それらに投資する投資信託を通じて間接的に資産に投資するETFです。この仕組みを採用することで、不動産などの直接投資が難しい資産への投資が可能になり、リスク配分の機動的な変更や投資コストの低減、少額の純資産で効率的に運用が可能になるなどの利点があります。