マイクロ・キャップ・ファンド #
マイクロ・キャップ・ファンドとは、時価総額が非常に小さい企業に的を絞って投資するファンドのことです。一般的な小型株ファンド(スモールキャップファンド)の中でも、最も小規模な企業の株式を対象とします。
ここでの「キャップ」は英語の「capitalization(時価総額)」を指し、米国では通常、時価総額が2.5億ドル未満の銘柄をマイクロキャップ(超小型株)と呼びます。一方、日本では、どの程度の時価総額をマイクロキャップと定義するかについて共通の基準は存在せず、ファンドごとに独自の基準が採用されています。
投資対象となる企業の特徴 #
マイクロ・キャップ・ファンドは、以下のような特性を持つ企業を投資対象とします:
1. 創業間もない成長企業
将来的に大きな成長が見込まれる企業が多く、早期段階から投資することで高いリターンを狙います。
2. 技術力や商品力のある企業
小規模ながらも独自の技術や競争力のある商品を持ち、大企業からの買収対象になる可能性がある企業が含まれます。
3. 特定市場で高いシェアを持つ企業
ニッチ市場に特化し、高いマーケットシェアを持つ企業や今後のシェア拡大が期待される企業が注目されます。
4. 店頭登録銘柄や新興市場上場銘柄
マイクロキャップ銘柄は、上場市場では米国のNASDAQ、小規模企業向け市場や店頭登録市場に多く存在します。日本では東京証券取引所のグロース市場に多く見られます。
日本のマイクロキャップ市場 #
日本市場では、時価総額が最も小さい銘柄はグロース市場に上場しているベンチャー企業や新興企業が多くを占めます。このような企業は一般的に以下のような特徴を持ちます:
1. 流動性の低さ
時価総額が小さいため、取引量が少なく、流動性が低いのが特徴です。そのため、株価が急騰または急落しやすく、価格変動リスクが高い投資対象となります。
2. ハイリスク・ハイリターン
成長性が期待される一方で、業績悪化や市場環境の変化によるリスクも大きく、慎重なリサーチとリスク許容度が求められます。
マイクロ・キャップ・ファンドのメリットとリスク #
メリット
- 高い成長性 ・・・小型企業の中には、大企業以上の成長ポテンシャルを持つ企業が多く、初期段階から投資することで大きなリターンを得られる可能性があります。
- 分散投資効果・・・ 大型株とは異なる動きをするため、ポートフォリオに組み込むことで分散投資の効果が得られる場合があります。
リスク
- 価格変動リスク・・・対象銘柄は流動性が低く、株価が乱高下しやすいことからリスクが高いと考えられています。
- 情報不足・・・ 小型企業は公開情報が少ないため、投資判断に必要な情報収集が困難な場合があります。
- 倒産リスク・・・ 創業間もない企業や規模の小さい企業には経営基盤が脆弱な場合があり、倒産のリスクもあります。
具体的なマイクロ・キャップ・ファンドの例 #
1. スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド
日本国内のマイクロキャップ銘柄(超小型株)を中心に投資するファンドで、信託財産の運用成果の評価に際して、MSCI Japan Micro Cap指数 (配当込み)を参考としています。
2. フィッシャーUSマイクロ株式ファンド
米国のマイクロキャップ企業に投資するファンドで、特に成長性が高いと見込まれる企業を選定して投資します。
投資を検討する際のポイント #
1. リスク許容度の確認
マイクロキャップファンドはハイリスク・ハイリターン型の投資であるため、投資家自身のリスク許容度を十分に確認する必要があります。
2. 情報収集の徹底
投資対象となる企業やファンドの詳細情報を調査し、成長性やリスク要因を十分に理解することが重要です。
マイクロ・キャップ・ファンドまとめ #
マイクロ・キャップ・ファンドは、時価総額が非常に小さい企業(マイクロキャップ)に特化して投資するファンドです。高い成長性が期待される一方で、流動性が低く、価格変動リスクが大きいハイリスク・ハイリターン型の投資対象です。日本では新興市場の銘柄が中心で、慎重なリサーチとリスク許容度の確認が重要です。