日経平均株価とは? #
日経平均株価(日経225、Nikkei 225)とは、日本を代表する225銘柄の株価をもとに算出される株価指数です。
日本経済新聞社が算出・公表しており、日本株式市場全体の動きを示す代表的な指標として、国内外の投資家に広く利用されています。
東証プライム市場(旧・東証一部)に上場する企業の中から、日本経済を象徴する銘柄を選び、株価の平均を取ることで指数が作られています。
アドバンテスト、トヨタ自動車、ソニーグループ、信越化学、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループなど、日本を代表する企業が多数採用されています。
日経平均株価の算出方法 #
日経平均は「株価平均型指数」と呼ばれる方式で算出されています。
これは、採用されている225銘柄の株価を単純に平均して求める方法ですが、実際には株式分割や銘柄入れ替えがあっても指数の水準が大きく変わらないよう、除数(じょすう)と呼ばれる調整値を使って計算されています。
✅ 計算方法(概略)
日経平均株価 = 採用225銘柄の株価の合計 ÷ 調整除数
この除数は、日本経済新聞社が管理し、株式分割や入れ替えのたびに調整されます。これにより、指数の連続性と信頼性が保たれています。
→日経平均プロファイル(日経の指数公式サイト)・最新チャート
採用銘柄の選び方 #
日本経済新聞社は、構成銘柄を「流動性・代表性・業種バランス」の観点から選定します。つまり、単に大企業というだけでなく、市場を代表し、活発に取引されている企業が採用されます。
主な選定基準
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 流動性 | 売買高・売買代金が多く、日常的に取引が活発であること。 |
| 代表性 | その業種・セクターを代表する企業であること。 |
| 業種バランス | 特定の業種に偏らないよう、製造業・サービス・金融などから幅広く選ぶ。 |
| 安定性 | 継続的に上場しており、急な業績変動や上場廃止のリスクが低いこと。 |
| 実績・知名度 | 一定の業績と社会的認知度がある企業。 |
採用銘柄は原則として年1回(10月)に見直しが行われますが、上場廃止や合併などの事情がある場合には臨時で入れ替えが実施されます。
日経平均株価の特徴とTOPIXとの違い #
| 指数名 | 特徴 | 採用銘柄数 | 算出主体 | 補足説明 |
| 日経平均株価 | 株価平均型指数。構成225銘柄の株価の単純平均を基礎に算出。株価の高い銘柄(例:ファーストリテイリングなど)の影響が大きい。 | 225 | 日本経済新聞社 | 「株価平均型」は日本では日経平均だけの方式。除数(調整値)を用いて指数の連続性を維持。 |
| TOPIX(東証株価指数) | 時価総額加重平均型。企業規模の大きい銘柄の値動きが指数全体に強く影響。 | 約2,000(東証プライム市場全銘柄) | 東京証券取引所(JPX) | 東証プライム全銘柄が対象で、日本市場の「全体的な動き」を示す。 |
| S&P 500(米国) | 米国の代表的な500銘柄で構成される時価総額加重平均指数。 | 500 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社 | 米国株市場の約80%の時価総額をカバー。世界で最も広く参照される株価指数のひとつ。 |
日経平均は「株価の平均値」を表すため、ファーストリテイリングのように株価が高い銘柄の影響を強く受けるという特徴があります。
一方、TOPIXは時価総額の大きさを反映するため、企業規模全体の動向をより正確に示します。
日経平均株価の活用例 #
日経平均は、日本株市場の動きを示す最も有名な指標として、日々のニュースや経済報道で取り上げられます。
また、ETF(上場投資信託)や投資信託のベンチマークとしても広く利用されており、個人投資家が日本株全体に投資する際の代表的な指標にもなっています。
さらに、大阪取引所では「日経225先物」や「日経225ミニ」などのデリバティブ(先物・オプション)取引が行われ、機関投資家のリスクヘッジや短期売買にも活用されています。
日経平均株価連動型ETF(2025年10月17末現在)
| 銘柄コード | ETF名称 | 運用会社 | 信託報酬(年率・税込) | 上場市場 | 特徴 |
| 1330 | 上場インデックスファンド225 | アモーヴァ・アセットマネジメント | 0.096% | 東証 | 純資産総額の増減に応じて信託報酬率が変化する段階料率を導入 |
| 1346 | MAXIS日経225上場投信 | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.132% | 東証 | |
| 1578 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) | アモーヴァ・アセットマネジメント | 約0.2475% | 東証 | 売買単位が10分の1(10口)と少額投資向き。小口で日経平均に連動。 |
| 1369 | One ETF 日経225 | アセットマネジメントOne | 0.0495% | 東証 | |
| 1397 | SMDAM 日経225上場投信 | 三井住友DSアセットマネジメント | 0.154% | 東証 |
🔍 補足解説
これらのETFはいずれも、「日経平均株価(Nikkei 225)」の値動きに連動するよう設計されています。また、1578「日経225(ミニ)」のように、取引単位を小さくした少額投資向けETFもあり、初心者でも日経平均に連動する運用を手軽に行うことができます。
日経平均株価を構成する主な銘柄例(2025年10月現在) #
| セクター | 主な採用銘柄 |
| 電気・精密 | アドバンテスト、東京エレクトロン、TDK、ファナック |
| 情報・通信 | ソフトバンクグループ、KDDI、コナミグループ |
| 小売・サービス | ファーストリテイリング、リクルートホールディングス、 |
| 金融 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングス |
| 化学 | 信越化学 |
| 自動車 | トヨタ自動車、ホンダ、スズキ |
日経平均株価のまとめ #
日経平均株価は、日本経済を代表する225銘柄の株価をもとに算出される、日本株市場の代表的な株価指数です。
株価平均型という独自の算出方式を採用しており、株価が高い銘柄の値動きが指数に与える影響が大きいという特徴があります。
TOPIXのように時価総額を基準とする指数とは異なり、日経平均は「株価の水準」を示す指標として、投資家やメディアにとって欠かせない存在です。
また、日経平均はETFや先物取引のベンチマークとしても利用され、個人投資家から機関投資家まで幅広く参照されています。
日本株の全体的な動きを知るうえで、日経平均株価は最も重要な指標のひとつと言えるでしょう。