国際機関債とは、世界銀行やアジア開発銀行などの国際機関が資金調達のために発行する債券を指します。
国際機関は、途上国の経済発展やインフラ整備、環境対策などのプロジェクトを支援するために設立された機関で、その活動資金を世界の資本市場から調達する手段として債券を発行しています。
多くの国際機関は各国政府が出資しているため、発行される債券は信用力が高いと評価されることが多く、日本の投資信託でも投資対象として利用されています。特に、海外債券型ファンドや高金利通貨ファンドなどで組み入れられるケースが見られます。
この記事では
- 国際機関債の意味
- 国際機関債の仕組み
- 国際機関債の特徴
- 投資信託で利用される理由
を整理して解説します。
国際機関債の仕組み #
国際機関債は、国際機関が開発支援などの資金を調達するために発行されます。
基本的な資金の流れは次の通りです。
① 国際機関が債券を発行
↓
② 投資家(金融機関・投資信託など)が購入
↓
③ 国際機関が開発プロジェクトなどに資金を融資
↓
④ 融資の返済などを原資に利払い・償還
つまり国際機関債は、世界の開発プロジェクトを資本市場で支える仕組みとも言えます。また、国際機関債は海外債券ファンドや高金利通貨ファンドなどの投資信託で組み入れられることがある債券の一つです。
国際機関債の特徴 #
①信用力が高い発行体が多い #
多くの国際機関は、加盟国政府の出資によって設立されているため、主要格付機関からAAAなどの高格付を取得している場合があります。そのため、国際機関債は比較的信用力の高い債券と位置付けられることが一般的です。
②多様な通貨で発行される #
国際機関債は
- 米ドル
- ユーロ
- 日本円
- 豪ドル
- 新興国通貨
など、さまざまな通貨で発行されます。
このため、日本の投資信託では、豪ドルや新興国通貨などの高金利通貨建ての国際機関債を組み入れて利回りの向上を図る運用が行われることもあります。
ただし、こうした通貨建て債券に投資する場合には、為替レートの変動によって基準価額が影響を受ける「為替リスク」がある点にも注意が必要です。
③ESG債(グリーンボンド)として発行されることも多い #
国際機関は環境・社会課題の解決を目的としたプロジェクトに資金を供給する役割も担っています。
そのため
- グリーンボンド
- サステナビリティボンド
などの形で国際機関債が発行されるケースも増えています。
代表例として、世界銀行が発行するグリーンボンドがあります。
「グリーンボンドとは?」の記事はこちら
主な国際機関 #
国際機関債を発行する代表的な機関には次のようなものがあります。
世界銀行グループ
地域開発銀行
欧州系機関
これらの機関は、地域の経済発展やインフラ整備を支援するために設立されています。
投資信託で国際機関債が利用される理由 #
投資信託では、国際機関債は主に次のような目的で組み入れられます。
信用力の高い債券として活用
多くの国際機関債は高格付であるため、ポートフォリオの信用リスクを抑える役割を果たすことがあります。
利回りを確保するため
国際機関債は
- 豪ドル
- ブラジルレアル
- 南アフリカランド
などの高金利通貨建てで発行されることもあり、利回りを高めるために利用される場合があります。
ESG債として発行されるケース
国際機関は、気候変動対策や再生可能エネルギーなどのプロジェクトを支援しています。
そのため、これらの資金を調達するために発行されるグリーンボンドなどの国際機関債は、ESG投資の対象となることがあります。
国際機関債に投資する主な投資信託 #
国際機関債を主要投資対象とする投資信託の例としては、次のようなものがあります。
- 国際機関債オープン(為替ヘッジあり)
- 高金利国際機関債ファンド(毎月決算型)
- 世界銀行債券F(毎月分配型)《ワールドサポーター》
これらのファンドでは、高格付の国際機関債や高金利通貨建て債券を組み合わせた運用が行われています。
国際機関債のまとめ #
国際機関債とは、世界銀行などの国際機関が資金調達のために発行する債券です。
主な特徴は
・信用力の高い発行体が多い
・多様な通貨で発行される
・ESG債として発行されるケースも多い
といった点です。
日本では投資信託の投資対象として利用されることも多く、安定性と利回りのバランスを取るための債券資産として活用されています。