日本株で配当を重視した投資を考えるとき、どの銘柄を選ぶべきか迷うことは少なくありません。そうした中で、日本株の高配当銘柄の動向をまとめて把握できる指数として利用されているのが 東証配当フォーカス100です。
東証配当フォーカス100は、東京証券取引所(JPX)が算出・公表している株価指数で、予想配当利回りに着目しつつ、企業規模や流動性、財務の安定性なども考慮して選ばれた100銘柄で構成されています。本記事では、その特徴や仕組みをわかりやすく解説します。
東証配当フォーカス100とは #
東証配当フォーカス100は、東京証券取引所(JPX)が算出・公表している、日本株の高配当銘柄に着目した株価指数です。配当利回りの水準だけでなく、企業規模・流動性・財務の安定性なども考慮して選ばれた100銘柄で構成されており、日本株における「配当重視投資」の代表的な指数の一つとして利用されています。2025年7月24日現在、組入れ銘柄の予想配当利回りは4.14%と、東証プライム市場全体の平均利回りの2.50%(2025年7月末現在)を大きく上回っています
東証配当フォーカス100の特徴 #
● 配当利回りに着目した指数
東証配当フォーカス100は、予想配当利回りが相対的に高い銘柄を中心に構成されます。単に配当利回りが高いだけでなく、
- 時価総額
- 売買代金(流動性)
- 財務状況
なども考慮されるため、極端にリスクの高い銘柄だけが集まることを避けた設計になっています。
● 構成銘柄は100銘柄
指数名のとおり、構成銘柄数は 100銘柄です。大型株・中型株を中心に、金融、商社、エネルギー、通信、素材など配当を重視する業種の比率が高くなりやすい傾向があります。
● 定期的な見直し(リバランス)
東証配当フォーカス100は、年1回を基本とした定期見直しが行われます。
- 配当利回りの変化
- 業績や財務状況
- 流動性の低下
などを踏まえて銘柄が入れ替えられ、その時点での「配当水準に注目すべき日本株」を反映する仕組みになっています。
誰が算出している? #
東証配当フォーカス100は、東京証券取引所(JPX)が算出しています。JPXは、日経平均株価やTOPIXなど、日本を代表する株価指数を算出・管理する中核機関であり、指数の透明性・信頼性が確保されています。
東証配当フォーカス100の算出方法(概要) #
東証配当フォーカス100は、配当利回りを重視しつつ、時価総額や流動性も考慮して構成された、時価総額加重型の株価指数です。
主なポイント
- 配当利回りの水準を重視して銘柄を選定
- 採用後は 時価総額加重方式で指数を算出
- 特定銘柄への集中を防ぐため、ウエイト調整が行われる
このため、単純な高配当ランキングとは異なり、投資指数としての安定性が意識されています。
東証配当フォーカス100の主な構成銘柄(例) #
※時期により入れ替わります
- メガバンク株
- 総合商社
- 通信株
- エネルギー関連株
- 高配当の大型製造業
といった、安定的に配当を支払う企業が多いのが特徴です。
東証配当フォーカス100を利用するメリット #
● 日本株の高配当投資を効率的に把握できる
個別銘柄を一つずつ調べなくても、日本の高配当株の動向をまとめて把握できます。
● インカム重視の投資に向いている
配当収入を重視する投資スタイルにおいて、ベンチマークとして使いやすい指数です。
● ETF・投資信託の指数として活用されている
東証配当フォーカス100は、高配当型のETFや投資信託の参照指数としても利用されています。
東証配当フォーカス100の注意点 #
- 配当利回りは将来保証されるものではない
- 業種が偏りやすい(金融・商社など)
- 相場環境によっては値動きが大きくなることがある
特に、減配・無配への転換があると、指数構成やパフォーマンスに影響を与える点には注意が必要です。
東証配当フォーカス100をベンチマークとするETF #
アモーヴァ・アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)」(銘柄コード:1698)があります。実際の投資対象や連動精度は目論見書で確認してください。
東証配当フォーカス100のまとめ #
東証配当フォーカス100は、日本株の中から配当水準に注目して選ばれた100銘柄で構成される株価指数です。高配当株投資の全体像をつかみたい人や、インカム重視の投資戦略を検討する際の代表的な指標の一つとして活用されています。