CRSP USスモールキャップ・インデックス(CRSP U.S. Small Cap Index)とは、米国株式市場の中で比較的小型の企業(米国株式市場全体の中で、時価総額の累積比率に基づく階層区分で上位85%超から98%以下に該当する企業)を対象とした、時価総額加重型の株価指数です。
この指数は、米国の小型株式の動向を示す株価指数です。米国の株式市場(ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE Arca)の投資可能な米国株のうち、時価総額で上位85%超~98%以下に位置する企業を対象としています。つまり、米国株市場の中では、比較的小型の企業ですが、極端に小さいわけではなく、中堅から小型に分類される企業が対象です。2025年3月末現在、1,338銘柄で構成されています(※2025年3月末現在。CRSP公式サイトより)。
詳細や最新の構成銘柄はCRSP公式サイトで確認できます。
CRSP USスモールキャップ・インデックスは、シカゴ大学ブース・ビジネス・スクールに設置された研究機関「Center for Research in Security Prices(CRSP:証券価格調査センター)」が算出・公表している指数です。インデックス名のCRSPは、このセンターの頭文字に由来します。なお、「スモールキャップ(Small Cap)」とは、「Small Capitalization(小さい時価総額)」の略で、比較的時価総額の小さい企業群を指します。CRSPインデックスにおける時価総額の階層
CRSPインデックスにおける時価総額の階層 #

CRSPの分類では、時価総額の大きい上位70%程度までが大型株に該当し、70%〜85%が中型株、85%〜98%が小型株、98%〜100%が超小型株とされています。
CRSP USスモールキャップ・インデックス概要 #
- 正式名称:CRSP US Small Cap Index
- 算出機関:CRSP(シカゴ大学の証券価格研究センター)
- 対象銘柄:米国株式市場のうち、時価総額が小型株に分類される企業の株式
- 採用基準:米国株市場全体の時価総額のうち、85位〜98位パーセンタイルの範囲にある銘柄(ミッドキャップより小さい、いわゆるスモールキャップに分類される銘柄)
CRSP USスモールキャップ・インデックスの特徴 #
- 浮動株調整済み時価総額加重型指数:流動性が高い株式を重視
- 銘柄入れ替えの透明性と安定性:四半期ごとに見直しが行われるが、急激な入れ替えは避けられる設計
- 米国スモールキャップ市場の代表的指標の一つとして、Vanguard(バンガード)社のETF「Vanguard Small-Cap ETF(VB)」などのベンチマークにも採用されている
注目されるきっかけ #
CRSP US スモールキャップ・インデックスが注目されたのは、2013年に米国最大級の運用会社であるバンガード社が、同社が運用する5本のファンドのベンチマークについて、証券価格調査センター (CRSP) が開発した新しいベンチマークへ変更したためでした。これにより、日本でも取り扱われている「バンガード・スモールキャップ・インデックス・ファンド」および「バンガード・スモールキャップETF(VB)」のベンチマークがMSCI U.S.スモールキャップ1750インデックスからCRSP U.S.スモールキャップ・インデックス(CRSP US Small Cap Index)に変更されました。
CRSP US スモールキャップ・インデックスのまとめ #
CRSP USスモールキャップ・インデックスは、米国のスモールキャップ企業(時価総額階層85〜98%)を対象とした株価指数です。マイクロキャップは含まれず、構成は四半期ごとに見直されます。代表的なETFである「Vanguard Small-Cap ETF(VB)」のベンチマークとしても採用されています。