MENAとは、「中東(Middle East)」と「北アフリカ(North Africa)」を合わせた地域の総称であり、これらの地域に投資する投資信託は一般に「MENAファンド」と呼ばれます。なお、世界銀行はMENA地域を、アルジェリア、バーレーン、ジブチ、エジプト、イラン、イラク、クウェート、ヨルダン、レバノン、リビア、モロッコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦(UAE)、ウェストバンクおよびガザ、イエメンと定義しています。

MENAファンドの特徴 #
特徴 | 内容 |
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成長期待 | 人口増加、若年層比率の高さ、インフラ整備などにより、将来的な経済成長が期待されています。 |
資源依存 | 石油・ガスなどの天然資源への依存度が高く、エネルギー価格の変動に影響を受けやすい地域です。 |
地政学リスク | 紛争や政治的緊張が多く、他地域と比べて地政学的リスクが高いため、投資対象資産の価格変動が大きくなる可能性があります。 |
通貨リスク | 現地通貨建て資産に投資する場合は、為替変動によるリスクも考慮する必要があります。 |
MENA地域の経済成長率予測 #
IMFでは、中東地域と北アフリカ地域のGDP成長率を次のように予測しています。

(出所:IMF、2025年5月17日現在)
MENAファンドの例: #
MENAファンドの例としては、2007年にシュローダー・インベストメント・マネジメントが設定・運用していた「シュローダー中東/北アフリカ・ファンド(愛称:MENA(ミーナ))」がありましたが、2020年に償還しています。
MENA地域全体に投資するタイプではないものの、MENAの一角であるサウジアラビアに投資するファンド(ETF)「SBIサウジアラビア株式上場投信」(銘柄コード:273A)が2024年10月に東京証券取引所に上場しました。同ファンドは、マザーファンドと通じてサウジアラビアの株式に投資し、「MSCI サウジアラビア・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資成果を目指すETFです。運用会社はSBIアセットマネジメント株式会社です。
また、中東を投資対象とするファンドに、スパークス・アセット・マネジメント株式会社の運用する「スパークス・アジア中東株式ファンド (隔月分配型)」と「スパークス・アジア中東株式ファンド (資産成長型)」や、アムンディ・ジャパン株式会社の「アムンディ・アラブ株式ファンド」があります。
MENAファンドのまとめ #
MENAファンドは、中東・北アフリカ地域(MENA)を対象に、同地域の企業や政府の発行する株式・債券に投資するファンドです。資源、人口動態、インフラ需要による成長性が期待される一方で、地政学的リスクや為替リスクにも注意が必要です。日本国内でも、SBIアセットマネジメントやアムンディなどによるMENA関連ファンドが提供されています。