投資信託の目的は、大きく分けて以下の3つに分類されます。これらは、投資家の運用目標やリスク許容度に応じて選択するべきものであり、自分の資産形成の目的に最適なファンドを選ぶことが重要です。各投資信託の目的は目論見書に詳細が記載されていますので、購入前に必ず確認しましょう。
① キャピタル・ゲインの獲得 #
キャピタル・ゲインとは、株式やその他の資産の値上がりによる利益を指します。この目的を持つファンドでは、投資対象の価格上昇によってファンドの基準価額が上がることを目指します。
主な特徴 #
– 主に株式ファンドが該当します。
– 成長企業の株式や、新興市場の株式を中心に投資する場合が多く、リスクは高めですが、長期的に大きなリターンを狙える可能性があります。
– 短期的な値動きが激しいこともあるため、長期投資に向いています。
適している投資家 #
– 資産を長期で増やしたい人や、高いリスクを許容できる人。
– 老後資金や子どもの教育費など、10年以上の時間をかけて育てる資金の運用に向いています。
② インカム・ゲインの獲得 #
インカム・ゲインは、債券からの利息や株式からの配当金など、資産を保有することで得られる定期的な収益を指します。この目的を持つファンドでは、定期的な分配金の支払いを主な目標としています。
主な特徴 #
– 債券を主な投資対象とするファンドが該当します。
– 分配金の支払い頻度は、毎月、四半期、または年1回などファンドにより異なります。
– 市場の値動きに影響されにくく、比較的安定した収益を期待できますが、大きな値上がり益は期待しづらい場合があります。
適している投資家 #
– 安定した収入を確保したい人や、リスクを最小限に抑えたい人。
– 定年後の生活費や、短期的な運用で資金を保全したい場合に向いています。
③ キャピタル・ゲインとインカム・ゲインの両者の獲得 #
このタイプのファンドは、値上がり益と定期的な収益の両方を狙います。株式と債券の双方に投資するファンドや、高配当株式を中心に投資する「高配当ファンド」が該当します。
主な特徴 #
– 資産の値上がりによるキャピタル・ゲインと、分配金によるインカム・ゲインのバランスを重視。
– 分散投資の一環として、多くの投資家に利用されています。
– 比較的リスクを抑えながらも、成長性を期待できる運用が可能です。
適している投資家 #
– リスクを抑えつつ、一定のリターンを期待する人。
– 老後資金や中期的な資金運用を考えている場合に適しています。
選択時の注意点 #
– 目論見書の確認:各ファンドの具体的な投資対象や運用方針が記載されています。目的に合ったファンドを見極めるため、内容を熟読してください。
– 手数料やコスト:ファンドの信託報酬や販売手数料が運用成績に影響します。低コストのファンドを優先的に検討するのも一つの方法です。
– リスク許容度の確認:自分のリスク許容度や運用期間に応じて、適切なファンドを選ぶことが重要です。
投資信託を選ぶ際は、これらの目的や特徴をしっかりと把握し、自分の資産運用計画に最適なファンドを選びましょう。