不動産鑑定評価とは #
不動産投資信託の運用報告書や財務諸表を見ていると、不動産鑑定評価という言葉が頻繁に出てきます。この不動産鑑定評価にとは何でしょうか。
不動産鑑定評価とは、「不動産の鑑定評価に関する法律」や国が制定した「不動産鑑定評価基準」に基づいて、不動産鑑定士が鑑定した不動産評価額のことです。
不動産鑑定士は、国家試験である不動産鑑定士試験に合格して国土交通省に登録された不動産評価のプロフェッショナルのことです。
不動産投資信託と不動産鑑定評価 #
不動産投資信託においては、投資法人が不動産を購入する際には、不動産鑑定士による鑑定評価が実施され、この鑑定評価額を基本として、予想収益、立地特性、将来性、耐震性などさまざまな要素を考慮し、それに見合った金額で投資が行われます。
不動産鑑定評価は、不動産の鑑定評価に関する法律に則って行われます。この法律は、不動産の鑑定評価に関し、不動産鑑定士及び不動産鑑定業について必要な事項を定め、もつて土地等の適正な価格の形成に資することを目的とする法律です。また、国土交通省が不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行うに当たっての基準などを定めています。
不動産投資法人が利害関係人などから不動産を購入する際には、この評価額を上回らない金額で購入するといった投資方針が投資法人によって定められており、ファンドの投資家に不利な投資が行われないような仕組みが整っています。
また、各不動産投資信託では、期末時点においても、保有不動産の鑑定評価が実施され、保有する不動産の価値がどのように変化したかが確認されます。この結果については、投資法人が公表する運用報告書の不動産等組入資産明細に帳簿価格と並んで記載されています。
不動産鑑定評価まとめ
不動産鑑定評価とは、不動産鑑定士が法律や基準に基づいて算定した不動産の評価額です。不動産投資信託では、購入時や期末に不動産鑑定評価が行われ、その評価額を基に適正価格での取引や資産価値の変動確認が行われます。この仕組みにより、投資家に不利な取引が防がれ、資産の透明性が保たれます。