ホテルファンドとは?


ホテルファンドとは

投資家から集めた資金をホテルに投資し、そこから得られた利益を投資家に分配する仕組みのファンドを一般にホテルファンドと呼びますが、その形態は多様です。また、今後も不動産の証券化が更に活発になると考えられ、新しいタイプのホテルファンドが生まれることも予想されます。最近の代表的な形態としては、不動産投資信託、特定のホテルの再生を目的としたファンド、匿名組合型のレジャーファンドなどがあります。ホテルファンドという呼称だからといって、不動産投資信託であるとは限らないので注意が必要です。

 

不動産投資信託のホテルファンド

不動産投資信託REIT)は、投資家から集めた資金によって、投資を行うことを目的とする法人を設立し、その法人を通して不動産に投資を行うファンドで、証券取引所に上場しています。投資家は、取引所に上場された不動産投資信託の投資口を購入することで、ファンドからの分配金と投資口を売却した際の売却益が狙えます。

当初不動産投資信託は、賃貸用マンション、オフィスビル、商業施設などを主な投資対象とするものが中心でしたが、2006年頃からホテルを主な投資対象とする不動産投資信託が登場しています。例えば、「ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人」は、初のホテル特化型の不動産投資信託として2006年2月に上場しました。その後、同年6月には「日本ホテルファンド投資法人」(現、ジャパン・ホテル・リート投資法人)が上場しています。また、ホテル特化型ではないものの、ホテルを投資対象に含む不動産投資信託も複数上場しています。

 

再生ファンド

特定のホテルの再生を目的としたファンドは、経営不振に陥った特定のホテルの再生を目的としたファンドのことです。例えば、経営不振に陥った金谷ホテルのケースがあります。金谷ホテルの再生に関しては、企業再生ファンドを使った投資会社による支援に加え、「金谷ホテル投資事業有限責任組合」(通称「金谷ホテルファンド」)というファンドが組成され、日本政策投資銀行などから出資を募り、ホテルの再生を行い、ホテルからの利益を出資額に応じて投資家に配分するというスキームが活用されました。

金谷ホテルファンドの詳細や有価証券報告書については、金融庁の運営するEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)で、ファンドコードG06487で調べることができます。

 

匿名組合型のホテルファンド

匿名組合型のレジャーファンドは、特定のレジャーホテルへの投資を目的とした匿名組合を組成し、投資家はこの匿名組合の組合員となり、ホテルの収益に応じて分配を受け取る仕組みのファンドです。既に営業を行っているホテルに投資し、その資金で修繕などを行い、業績を改善させるタイプのものと、これから建設されるホテルに開発段階から投資を行うタイプのものがあります。後者を開発型ファンドと呼ぶケースがあります。投資は1口1,000万円の大口から100万円の小口など、物件により異なります。

今後も様々な形態を活用したホテルファンドが登場すると予想されますが、組成主体が誰か、法律に基づいた組成が行なわれているか、分配実績があるかなど、きちんと調べたうえで投資することが大切です。