投資信託の純資産総額はどんな要因によって減少しますか?


純資産総額とは

投資信託純資産総額とはファンドが保有する信託財産の合計のことです。ファンドは信託財産を刻々と変化する金融市場で運用していますから、純資産総額が増減することは当然の結果です。しかし、純資産総額が全く増えない、あるいは減少が続いている場合には注意が必要です。

純資産総額が減少する大きな要因としては、①運用成績の悪化によるものと②解約によるものが挙げられます。

 

①運用成績の悪化

ファンドが投資している株式や債券の価格が下落することにより、ファンドの運用成績は悪化します。これがファンドの純資産総額を押し下げます。

 

②解約

投資家がファンドを解約(売却)することによって純資産総額は減少します。

運用成績の悪化とファンドの解約は、全く別の純資産総額減少の要因というよりも、二つが互いに影響しあっていると考えるべきでしょう。

運用成績が悪化することで、投資家はより良い成績の運用先を求めてファンドを解約する、すると、今度は解約による資金を確保するために、ファンドマネージャーは思うような運用ができなくなります。ファンドマネージャーは、解約した投資家に払い戻す資金を確保するために、売りたくない銘柄を売却したり、買いたい銘柄を買わずに、資金を現金として保有しておくことになります。解約が増えるほど、ファンドマネージャーにとって運用が難しくなります。そして、これが更なる運用成績の悪化に繋がるという悪循環を招きかねないのです。

また、一般に、純資産総額が減少すると、ファンドの経費率が上昇する傾向にあると言われており、これも、更にファンドの運用成績を悪化させる要因になる可能性もあります。