優先株式とは?


優先株式とは

投資信託の投資対象の一つに優先株式があります。優先株式とはどのような株式でしょうか。

株式会社が発行する株式は、配当金、企業が清算される場合の残余財産の分配を受ける優先順位によって、優先株式、普通株式、劣後株式に分類されます。

優先株式は、配当金や残余財産の分配を優先的に受けることができる株式のことです。通常、優先株式の保有者には株主総会における議決権は付与されません。優先株式を保有する株主を優先株主と呼びます。優先株式のことを英語ではpreferred stockと呼びます。

また、優先株式には、普通株式よりも高い配当が支払われるのが一般的です。これを優先配当と呼びます。優先配当の額は、例えば、普通配当額×●●%を支払うというように、優先株式の発行時において定められます。また、普通株式への配当が無配の場合でも、優先株式に対して一定の優先配当が支払われることもあります。

米国の優先株式は、通常、発行時に定められた固定利率で配当が支払われます。例えば、1資本証券(優先株式)当たり25ドルで発行し、1資本証券当たり発行額に対して年率6.5%の配当を支払うというものです。そのため、株式でありながら、債券の性格を持っているとも言えます。

 

普通株式とは

普通株式は、最も一般的な株式です。配当金を受け取る権利、残余財産の分配金を優先株式の保有者の次に受け取る権利、議決権が付与されます。普通株式を保有する株主を普通株主と呼びます。東京証券取引所に上場している株式は2019年4月末現在、1銘柄を除き、全て普通株式です。

 

劣後株式とは

劣後株式は、配当金や残余財産の分配が最後になる株式です。

 

会社法における規定

各種類株式の内容は発行する会社により異なります。日本の場合、会社法では、株式会社はこのように内容の異なる種類の株式を発行することができると定められています(2019年4月末現在)。

会社法 第108条

株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。

  1. 剰余金の配当
  2. 残余財産の分配
  3. 株主総会において議決権を行使することができる事項
  4. 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
  5. 当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
  6. 当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
  7. 当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。
  8. 株主総会において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
  9. 当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること。

 

優先株式の魅力

優先株式の魅力は高い配当利回りが期待できる点にあります。特に、米国など海外の優先株式の利回りは普通株式に比べてかなり高い水準にあります。通常、固定金利か、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利=ロンドン市場で大手の銀行がお互いに資金を融通しあう際に適用される短期金利)などの基準金利プラス数%という形で設定されています。この高い配当利回りの獲得のために投資信託が投資対象とするわけです。2019年4月現在、ニューヨーク証券取引所に上場している優先株式の多くが5%から8%程度の配当利回りを提供しています。

 

優先株式に投資する投資信託・ETFの例