不動産関連債券とは


不動産関連債券とは

投資信託の投資対象の一つに「不動産関連債券」があります。

不動産関連債券とは、一般に、不動産を裏付資産として発行されるモーゲージ証券(Mortgage Backed Securities=MBS)のことです。具体的には住宅ローン担保証券(Residential Mortgage Backed Securities=RMBS)や商業用不動産ローン担保証券(CMBS)のことです。

 

住宅ローン担保証券(RMBS)とは

私たちが利用する住宅ローンの仕組みから見てみましょう。まず、銀行は、個人向けに住宅ローンを貸し出すことで住宅ローン債権をもつことになります。銀行は、この住宅ローン債権を後にモーゲージ証券を発行することになる金融機関に売却します。この金融機関は、買い取った住宅ローン債権をもとにしてモーゲージ証券と呼ばれる証券を発行します。これを住宅ローン債権の証券化といい、このとき発行された証券が住宅ローン担保証券(RMBS)です。

モーゲージ証券では、住宅ローンの借り手が銀行に返済した元金と利子が、その債券(モーゲージ証券)の元本と利子の支払原資になります。住宅ローンの借り手が返済を滞納した場合でも、多くは政府系機関や信用力の高い金融機関により元利金の支払が保証されています。

米国では、連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック)といった政府系金融機関が元利金の支払を保証しています。このため、モーゲージ証券は比較的信用力の高い投資対象として捉えられています。

Statistaによると、米国の住宅ローン担保証券の発行額は、2007年をピークに減少傾向にあります。

米国のRMBS発行額

 

日本のRMBS

日本における代表的なRMBSは、住宅金融支援機構債券です。これは、「フラット35」という名称で、民間の金融機関と独立行政法人住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提携して貸し出す最長35年の全期間固定金利の住宅ローン債権を住宅金融支援機構が買い取って証券化し、投資家向けに発行しているもので、正式には貸付債権担保住宅金融支援機構債券と呼びます。

日本のRMBS残高

(データ:日本証券業協会

 

商業用不動産ローン担保証券(CMBS)とは

RMBSが住宅ローンを証券化しているのに対して、CMBSはホテル、ショッピングセンター、オフィスビルなど商業用の不動産を証券化したもので、これらの商業用不動産に対して実施した融資をまとめて、それを担保にして発行された証券です。

日本国内では、CMBSの残高は急速に減少しており、日本証券業協会の「証券化市場の残高調査のとりまとめ」によると、2018年3月末現在の残高は10億円程度にすぎません。

日本のcmbs残高

(データ:日本証券業協会)

 

不動産関連債券を投資対象とする投資信託

三井住友トラスト・アセットマネジメントの運用する「PIMCO 世界不動産関連債券ファンド(為替ヘッジあり)(毎月決算型)」や「PIMCO 世界不動産関連債券ファンド(為替ヘッジあり)(年2回決算型)」などがその例です。

また、ブラックロックが運用する「iシェアーズ 米国MBS ETF」(MBB)は米国のモーゲージ証券を投資対象とするETFで、日本でも証券会社を通して購入可能です。また、同じくブラックロックの「iShares CMBS ETF」は米国のCMBSを投資対象とするETFですが、こちらは2018年5月末現在、日本国内での取り扱いはありません。