auアセットマネジメント、運用体制を大幅に強化


auアセットマネジメント株式会社は運用体制の大幅な強化のため、 2021年9月1日付で「戦略運用部」を発足させた。

同社によると、KDDIグループ内の資産を活用した新しい運用商品の開発など、 今後は自社運用によるユニークで高品質な商品の組成・運用と機関投資家ビジネスへの業容拡大を通じ、 投資家へ貢献していく。

auアセットマネジメント株式会社は、 従来ファンド・オブ・ファンズに特化した投資信託の組成・運用を行ってきたが、 個人投資家における運用ニーズの多様化、 およびKDDIグループ内外における同社役割への期待の高まりを受け、 外部より高度な専門能力を持つ運用部隊を迎えた大幅な体制拡充を決断した。 顧客の資産運用に役立てられるよう今後も変革を続けていく。

     東出 卓朗

東出 卓朗氏

戦略運用部の部長兼運用ヘッドには、東出 卓朗氏が就任した。

東出氏は就任にあたり次のように述べている。

 

この度、 戦略運用部長 兼 運用ヘッドを拝命致しました東出と申します。

戦略運用部ではテクノロジーを積極的に活用しながら、 市場参加者が意識する着眼点や相場観と、 学術的な数理科学の側面を踏まえた定量的なルールを構築して運用する「クォンツ手法」に軸足を置いてまいります。

クォンツ手法の優れた点は、 構築したルールが陳腐化しない限り、 将来に渡ってバックテスト※と似通った収益の獲得を期待できることにあり、 安定した期間収益を獲得(=安定的な資産形成を実現)されたいお客さまのご期待にお応えできる運用手法であると考えます。

※ バックテストとは、 ルールにもとづく運用手法の有効性を検証することを目的とし、 過去のデータを用いて行う投資シミュレーションのこと

近年ではロボアドに代表される様々な投資サービスの普及により、 個人にとってもテクノロジーを活用した投資が身近になりました。

しかし、 個人資産に占める現預金比率の高止まりが示すとおり、 現在これらの投資サービスはまだ普及が始まったばかりであり、 特に運用におけるテクノロジーの活用やこれに基づく運用手法は、 プロ向けと個人向けで依然として大きな差があるように思います。

コロナ禍における経済対策として各国中央銀行により供給された大規模な資金が、 段階的に引き揚げられようとしているなか、 投資判断が一層困難になる相場局面を迎えようとしています。 かかるなか、 個人資産を守るためには、 より積極的なテクノロジー活用による高度な運用戦略のご提供が不可欠であると考えており、 従来であれば巨額な資産を運用する一部の機関投資家のみに提供されてきた高度な運用手法を、 個人も投資可能な金融商品として広くご提供することを目指してまいります。

ルールベースの運用手法開発は日進月歩です。 産業界に限らず、 学術界においてもAI、 確率、 統計といった様々な分野で新たな運用手法が開発されています。 我々は各分野の最先端で研究を進めるアカデミアとも連携を取りながら、 変化し続ける相場環境に対応したTOPクオリティの運用手法をご提供してまいります。

DX化の流れが加速するなかで、 運用業界にもその流れが着々と浸透しつつあります。 我々はKDDI経済圏の中での役割を意識しながら、 「洗練されたTOPクオリティの運用商品」と「幅広い運用機会」をご提供することで、 より一層、 皆様にとって頼りになる資産運用会社を目指してまいります。

 

東出 卓朗(ひがしで たくお)氏のプロフィール

2010年4月 メガバンク入行後、 市場部門にて為替の自己勘定取引及びデスククォンツとして勤務。 2015年より大手日系資産運用会社にてクォンツ並びにジャッジメンタルファンドマネージャーとして勤務した後、 2021年7月にauアセットマネジメントに入社。 入社後、 インハウス運用体制を立ち上げ、 9月1日より現職。
主要専門領域はマルチアセット、 債券、 為替、 デリバティブ、 アルゴリズム取引。 ポートフォリオ最適化やダウンサイドリスクコントロールに関する様々なソリューションの提供や、 相場局面等を判断するシグナル組成にも精通。 博士(工学) MBA(Finance)。研究分野は数学(確率解析)、 人工知能・機械学習。 2017年人工知能学会金融情報学研究会にて優秀論文賞受賞。