グローバルマクロとは?


グローバル・マクロとは、イベント・ドリブン、エクイティ・ロング/ショート、リスク・アービトラージなどと並ぶヘッジファンドの運用手法の一つです。シンプルにマクロと呼ばれることもあります。

世界中の国や地域の主要経済トレンドや政治的見通しを重視し、各国の経済、金利、為替などのマクロ指標の予想に基づき機動的にグローバルな投資を行う運用で、グローバルに株式、債券、通貨、先物など様々な投資対象についてロングおよびショートポジションをとります。なお、グローバル・マクロを採用したファンドをグローバル・マクロ・ファンドと呼びます。

1990年代に世界中の金融市場に大きな影響を与えたジョージ・ソロスのクオンタム・ファンドやジュリア・ロバートソンのタイガー・ファンドなどが典型的なグローバル・マクロ・ファンドだと言われています。彼らは、借り入れた資金で先物を売るなどして、レバレッジを大きくかけたポジションをとることで、外国為替市場などに極めて大きな影響を与えました。1992年に英国ポンドが欧州為替相場メカニズムから脱落したのも、ソロスを中心としたグローバル・マクロ・ファンドによる売りが要因であると言われています。また、1997年のアジア通貨危機の際に、マレーシア・リンギットが暴落したのも、グローバル・マクロ・ファンドの売りによるものだと言われています。

2020年現在、金融市場においては、グローバルマクロのヘッジファンドとしては、米国を拠点とするCaxton Associates、Bridgewater Associates、Soros Fund Managementが有名です。

グローバル・マクロのベンチマークにはThe Barclay Groupが算出・公表しているGlobal Macro Index、CISDM (The Center for International Securities and Derivatives Markets Hedge Fund Index)のGLOBAL MACRO MEDIAN、Credit Suisse First Boston/Tremont のhedge global macroなどがあります。

ヘッジファンドの世界的な業界団体の一つである AIMAによると、2019年末現在において、約1兆ドルがグローバルマクロで運用されています。