ゼロクーポン債とは?


ゼロクーポン債とは

投資信託の投資対象の一つにゼロクーポン債があります。ゼロクーポン債とは、外国で発行される債券で、利子の支払いがなく、満期までの利子に相当する金額を、あらかじめ債券の額面金額から差し引いた価格で発行され、満期時に額面金額で償還される債券のことです。

債券の利子の大きさのことを表面利率と呼び、これを英語ではクーポン・レート(coupon rate)と言います。したがって、ゼロクーポン(zero coupon)債は表面利率がない、利子がない債券という意味になります。満期までの期間は債券により異なります。発行する機関は、外国の政府や地方自治体、民間企業などさまざまです。

 

利付債とゼロクーポン債の違い

最も一般的な債券は利付債で、半年毎に定期的に利子が支払われ、満期時に元金が額面金額で償還される債券です。

利付債

例えば、2016年9月15日に発行が予定されている満期5年の個人向け国債(第65回債)を例に見てみましょう。同債券は、固定利率が0.05%で、募集価格が額面100円につき100円、償還金額が額面100円につき100円、利払日が毎年3月15日と9月15日です。したがって、投資家は、償還までの5年間に渡り、半年毎に額面当たり2.5円の利子を受け取ります。この債券を100,000円分購入した場合には、半年毎に2,500円(税引前)を受け取ることになります。

 

ゼロクーポン債

一方、ゼロクーポン債は、利子の支払いは行われず、その代わりに、満期までの利子に相当する金額が元本から差し引かれた価格で発行され、満期時に額面金額で償還される債券です。

例えば、2039年8月1日満期のイタリアゼロクーポン債(ISINコード: IT0004848690)を例に見てみましょう。このゼロクーポン債は、イタリア政府が発行した債券(国債)です。2007年8月1日に発行され、満期日は2039年8月1日です。通貨はユーロ建てです。販売単位は10,000ユーロ単位です。満期となる2039年8月1日には額面価格の10,000ユーロで償還されます。2016年8月19日現在の債券価格は額面100.00ユーロ当たり65.00ユーロ(証券会社により多少異なります)です。

仮に、2016年8月19日現在の価格で、額面10,000ユーロ単位分を購入したとします。ユーロでの購入金額は6,500ユーロになります。為替レートが1ユーロ=113円だとして、円での投資金額は6,500×113=734,500円になります。そして、このゼロクーポン債を2039年の満期時まで保有した場合の受取金額は10,000ユーロです。為替レートが変わらなかったとすれば円での受取金額は10,000×113=1,130,000円となります。投資金額の734,500円と満期時の受取金額の1,130,000円の差額395,500円が投資家の利益になります。ただし、実際には、満期時の為替レート次第で、円貨での受取額が投資金額を下回ることもあります。購入時から満期時まで間に利払いはありません。

投資信託がどのような債券を保有しているかは、各ファンドの運用報告書の組入資産の明細欄で確認することができます。