債券ファンドの運用に出て来る「バーベル」とはどういう運用方法のことですか?


債券に投資するファンドの運用レポートなどに「バーベル戦略をとっています」と記載されていることがあります。この「バーベル(ダンベルとも言われます)」というのは、債券のポートフォリオの組み方の一つです。

債券ポートフォリオの作り方には、組み入れる債券の残存期間により次の3つの典型的パターンがあります。

  1. バーベルポートフォリオ
  2. ブレットポートフォリオ
  3. ラダーポートフォリオ

それぞれ簡単に中身と特徴を見てみましょう。

1. バーベル(ダンベル)ポートフォリオ

バーベルポートフォリオは、残存期間の短い債券と、長い債券の組み合わせのことです。時間という横棒の両端に、短期債と長期債の償還金というオモリがついているイメージです。バーベルポートフォリオは、金利が大きく動くときには、デュレーションが等しいブレットやラダーに比べて、良いパフォーマンスになります。例えば金利が大きく下落すれば、バーベルポートフォリオはブレットやラダーのポートフォリオよりも大きく価格が上昇し、金利が上昇するときにもブレットやラダーほどには価格が下落しません。しかし、金利があまり動かない場合、ブレットやラダーの方が儲かるようです。

 

2.ブレットポートフォリオ

ブレットポートフォリオは保有債券の残存期間を一定の年限に集中させたポートフォリオです(名前の由来は、償還金など、債券の大きなキャッシュフローのことをbullet paymentということがあるためと言われています)。ブレットポートフォリオは、デュレーションなど、ほかの条件が同じバーベルやラダーに比べて利回りが高いことが多く、金利が大きく変動しないならば、良いパフォーマンスになります。

 

3. ラダーポートフォリオ

ラダーポートフォリオは、短期債から長期債まで、残存期間の異なる債券に同額ずつを投資するポートフォリオです。例えば1年債から10年債までの10種類の残存期間に同額ずつあるいは同額面ずつ投資します。ラダーというのははしごの意味で、残存期間と投資額や毎年の償還金の大きさを棒グラフに書くと、はしごを横にした形に似ていることからそう呼ばれます。ラダーポートフォリオはバーベルとブレットの中間ぐらいの特徴をもっています。つまり、デュレーションが同じならば、金利が大きく変動すればブレットよりは儲かり、バーベルほどには儲からず、一方金利があまり変らない場合、バーベルよりは儲かり、ブレットほどには儲からないという特徴になります。言い換えれば、将来の金利変動が大きいのか小さいのか良く分からないとき、どちらに転んでもそんなに損することはないポートフォリオであるといえます。