見切り千両


損切り、つまり、ある銘柄に見切りをつけ損を覚悟で売ることによって、大損を避けられれば千両の価値があるという意味の格言です。

見通しが外れ、買ったときより株が値下がりしたら、損をしてでも、いったん売り考え直した方がいい──。理屈ではわかっていてもなかなか踏み切れないのが人情ですよね。見切ったとたんに株価が戻り、結局利益になることもあるので、ますます迷いが生じます。

迷いに迷った末、株価が戻ることを期待して持ち続けた結果、どうしようもない安値になり、「こんなことなら、もっと早く売っておくのだった」と激しく後悔することに。恋愛にもこういうパターンありますよね。相手の気持ちは離れているのに、元手をかけてた分諦めきれないとか、ダメと気づいていてもモーションをかけ続けたり。

対策としては、買うときに「いくらまで値下がりしたら売る」と、損切りする値段をあらかじめ決めておくこと。自分なりの損切りのルールを作って臨めば、値下がりした時も見切りがつけやすくなります。損切り後も他の銘柄に乗り換えたり、しばらく様子を見て起死回生を図るなど、損を最低限に抑えることができるわけです。

相場を見、株価が戻る見通しがあれば別ですが、見通しもないのに深追いするのはダメージを広げるだけ。恋愛同様、つれない相手にはさっさと見切りをつけ、次を当たる方が効率がよく、見極める目も鍛えられるというものでしょう。