ラッセル、スマート・ベータ戦略採用状況に関する調査結果を発表


ラッセル・インベストメント(本社:米国ワシントン州シアトル市)が実施した調査によると、年金基金などの間で代替加重方式またはファクター・ベースの指数をどう呼ぶかという議論はあるものの、これらの指数は大手機関投資家を中心に積極的に採用されており、さらに採用傾向が高まると同時にその範囲を広げている。今回ラッセルが新しく実施した機関投資家市場の調査Smart Beta: A Deeper Look at Asset Owner Perceptions(スマート・ベータ:年金基金などの認識度に関する調査)では、北米および欧州の年金基金などが多様な投資成果を求めて戦略的および戦術的な手法としてスマート・ベータ指数を積極的に採用していることが確認された。

運用資産規模が100 億ドル以上の投資家(回答者全体の35%)は、スマート・ベータ指数を、運用コストを削減する基礎的な手段というよりも、リスクの低減やリターンの向上といった幅広い投資目標を達成するためのより有用な手段として採用しようとしている。また、北米および欧州の年金基金などのスマート・ベータ指数の利用やスマート・ベータ指数に基づく投資戦略は、市場のベンチマークから、グローバルなマルチアセット運用において意図しないエクスポージャーをコントロール又は特定のファクターを強調するツールに至るまで多岐にわたっている。

ラッセルのインデックス・ビジネス部門で今年の第一四半期に実施した本調査は、北米および欧州の機関投資家(年金基金など)を対象に実施された。この調査は、年金基金や財団、寄贈基金など、資産規模、地域が異なり、スマート・ベータの評価や導入度合いが様々な約200件に及ぶ株式投資意思決定機関からの回答に基づくもの。これらの重要な投資母集団におけるスマート・ベータ戦略の認識度およびその採用状況に対する理解を深めることがこの調査の目的。

【主な調査結果】

運用資産総額が 100 億ドルを超える年金基金などを中心に、スマート・ベータ指数は幅広く採用され、強い関心を持たれている

  • 運用資産規模が100 億ドルを超える回答者の88%は、スマート・ベータを既に評価した」又は「今後18ヶ月以内に評価する予定」と回答しています。さらに、資産規模10 億ドル以上100 億ドル未満の回答者の77%、10 億ドル未満の回答者の50%からも同様の回答が得られた。
  • 年金基金などの 32%は、現在、スマート・ベータに資金を投じている。そのうちの53%が「今後18 ヶ月以内にスマート・ベータへのアロケーションの拡大を検討する」と答え、一方で「今後18 ヶ月以内にアロケーションを縮小する」と答えた回答者は5%に留まっている。
  • スマート・ベータを現在評価中又はその利用を今後18 ヶ月以内に評価する予定の年金基金などは、その76%が「資金を投じる見込み」としている。

スマート・ベータ指数採用の主な目的は投資成果の追求

回答者にスマート・ベータ戦略の評価を動機付けた投資目的のリストの中で最も多かった回答は「リスク低減」と「リターン向上」で、これら2つの投資目的は、それぞれ、北米および欧州の年金基金などの6 割以上によって 選択されている。一方、年金基金などが最も期待はずれであった投資目的として挙げたのは、スマート・ベータ指数のファクター・エクスポージャーをコントロールする機能だった。

  • 「運用コスト削減」との回答は最下位で、15%に留まった。
  • 低ボラティリティおよびファンダメンタル加重のインデックス戦略がグローバルに大半の年金基金などの関心を集めているが、どちらの戦略がより注目を浴びているかまたそれらがどのように利用されているかについては、地域的に大きな差が見られる。例えば、米国および英国の年金基金などは、ファンダメンタル加重のインデックス戦略が最も関心を集めているが、カナダや欧州(除く英国)では、ボラティリティコントロール・インデックス戦略が年金基金などの間で最も注目されている。

スマート・ベータという名称は衆目一致のものではなく、その定義も地域や運用資産規模によって異なる

  • 北米では「代替加重指数(alternatively weighted indexes)」 (回答者全体の33%がこの名称を選好)という名称が最もポピュラーで、欧州では「スマート・ベータ」 (回答者全体の35%)という名称が最も好まれている。
  • 運用資産規模別でみると、10 億ドル未満の年金基金などには「代替加重指数(alternatively weighted indexes)」という名称が、10 億ドル以上100 億ドル以下では「代替加重指数」と「スマート・ベータ」の名称が拮抗し、100 億ドル以上の年金基金などには「スマート・ベータ」という名称の人気が高くなっている。

ラッセル・インデックス部門のリサーチ担当マネージング・ディレクターのロルフ・アガサー氏は、「今回の調査により、資産運用が新たな革新のステージを迎えていることを確信しました。スマート・ベータ指数や同投資戦略が年金基金などの関心を高めている背景には、彼らが高度に洗練された投資家であり、価値ある投資成果および投資特性を希求していることが挙げられます。」「しかしながら、より広範なポートフォリオにスマート・ベータ戦略を効果的に組み込んで行くためには、年金基金などは、アクティブ戦略に伴う評価と同様の基準を保持し、不断に検証を重ねて行く必要があります。年金基金などによるスマート・ベータ戦略への関心と採用への関心が高まるにつれ、更なる情報提供、教育、そして助言の必要性が高まることを、この調査結果は示唆しています」と述べてる。

調査の概要

ラッセル・インデックス部門が実施した今回の調査は、北米および欧州の年金基金などがスマート・ベータの採用状況や認知度合いに関する洞察を深め、ポートフォリオ運用へのスマート・ベータ戦略の利用を検討している投資家にその知見を提供することを目的としている。本調査は、2014年1月22日から2月20日までの期間に実施された。米国、カナダ、欧州および中東に所在する運用資産規模2億ドル以上の年金基金など181件を対象に実施された。

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