日興AM、リスク管理と業務戦略の強化にブルームバーグの技術を採用


ブルームバーグは2018年5月25日、 アジア太平洋地域の資産運用会社最大手のひとつである日興アセットマネジメントが、 マルチアセット運用戦略のサポートツールとして、 ブルームバーグのポートフォリオ&リスク分析プラットフォーム(PORT)を採用したことを発表した。

東京を本拠としてグローバルに展開する日興アセットマネジメントの運用資産総額は2,115億ドルを上回る。 同社は企業、 年金基金、 信託銀行、 地方銀行、 政府系機関に対し、 投資顧問や資産運用サービスを提供している。

日興アセットマネジメントはポートフォリオの構造の把握、 ポジション分析、 顧客の皆様への主要データの開示にブルームバーグのPORTを活用している。 これにより、 取引時間中のパフォーマンスのモニタリングに加え、 総リスク・エクスポージャーやバリュー・アット・リスク(VaR)などの主要指標の計測、 ポートフォリオの基本的な特性や日次ベースのシナリオ分析といった同社の業務フローにおいて効率化を進めた。 また、 PORTの自動レポーティング機能により、 日興アセットマネジメントの顧客である機関投資家はレポート作成時の手入力業務が軽減され、 大幅な時間の節約と生産性の向上につながっている。

日興アセットマネジメントの柴田拓美代表取締役社長兼CEO次のように述べている。

機関投資家のリスク管理能力強化のために協力することは、 資産運用会社にとって重要な責務です。 投資信託への投資を開始してまもない機関投資家にとっては、 リスク管理能力の強化は喫緊の課題です。 私募投資信託に対する金融機関からの需要の全国的な高まりを受け、 日興アセットマネジメントは、 ブルームバーグ社の協力を得て、 リスク・マネジメント・システムを構築し、 銀行および機関投資家が保有私募投信についてモニター、 分析、 要因分析およびリスク管理が出来る機能の提供を開始しました。 資産運用各社によるこのシステムへの参加は自由であり、 それぞれ顧客の用に供することができます。 運用会社の手間はファンドのデータをシステムにアップロードするだけであり、 それだけで顧客と一対一かつ安全なデータのやり取りが可能になります。 顧客にとっては通常のターミナル使用料以外の追加費用は生じません。 日興アセットマネジメントは、 運用他社のデータへアクセスすることはなく、 運用他社へ費用の徴求をすることもありません。 運用他社と協力しつつ、 投資信託商品の透明性を高める機会を持てることは、 幸いです。

日興アセットマネジメントの三品雅人機関投資家事業本部副本部長は次のように述べている。

この厳しい環境下、 お客様の追加負担なしに、 リスク管理の高度化のお手伝いできるのは、 意義深いものと考えております。 この流れが業界全体に広がることを期待しております。

ブルームバーグの在日代表である石橋邦裕氏は次のように述べている。

日興アセットマネジメントがブルームバーグを長期的なテクノロジーパートナーとして選んでいただき、 当社の多くのソリューションを採用していただいたことを非常に嬉しく思います。 PORTは広範囲のポートフォリオ管理、 業務フロー効率化、 そしてアルファ獲得を同時に達成するにおいて要となるツールです。 日興AMは本サービスを採用したことにより、 ポートフォリオおよびリスク管理における業界の新たな基準を設定されました。

日興アセットマネジメントは注文管理業務を支援するブルームバーグのアセット&インベストメント・マネジャー(AIM)、 株式取引執行管理システム(EMSX)、 債券取引執行管理機能(TSOX)、 および取引コスト分析機能(BTCA)、 ポートフォリオ&リスク分析(PORT)を活用している。