野村アセットマネジメント、「運用における責任投資の基本方針」「日本企業に対する議決権行使基準」を改定


野村アセットマネジメントは2022年11月1日、 「運用における責任投資の基本方針(以下、 責任投資の基本方針)」「日本企業に対する議決権行使基準(以下、 議決権行使基準)」を改定した。

 

責任投資の基本方針は運用調査部門における取組みの基本的な方針を定めたもので、 エンゲージメントと議決権行使を通じて望ましい経営の実現を目指すこととしている。 今回の改定では、 「投資先企業の望ましい経営のあり方」のESG課題への取組みについて拡充した。 また、 議決権行使基準はその責任投資の基本方針に基づき定めており、 今回の改定の概要は以下の通り。

 

  • ジェンダーの多様性に対する関心が高まっていることを考慮し、 女性の取締役に関するモニタリング・ボード(※)の要件を引き上げるとともに、 女性の取締役がいない場合に取締役選任議案に反対する基準を新設します。
  • ROEの向上が遅れている現状を考慮し、 取締役選任や剰余金処分に係る議案についてROEの閾値を引き上げます。 また、 株式持合いがROE向上の遅れの原因になっている可能性を考慮し、 政策保有株式に関するモニタリング・ボードの要件を改定するとともに、 政策保有株式が特に多い場合に反対する基準を新設します。
  • 上場子会社において実効的なコーポレートガバナンス強化を促すため、 親会社が関与する財務・資本戦略が一定の要件を満たす場合、 取締役選任議案に反対することとします。
  • コーポレートガバナンス改革の進展を踏まえ、 役員報酬及び役員退職慰労金に係る議案について取締役会や報酬委員会の構成に関する要件を引き上げます。

野村アセットマネジメントは次のように述べている。

当社は、 日本企業のモニタリング・ボードへの移行を後押しする姿勢を明確にしています。 引き続き、 投資先企業の企業価値向上に資する取り組みを推進してまいります。

 

 

※モニタリング・ボードとは、 社外取締役を中心に構成され、 不特定多数の株主に代わって経営陣を監督することを主たる役割・責務とする取締役会。 議決権行使基準ではモニタリング・ボードとして満たすべき8つの要件を定めている。