JPモルガン、60資産の期待リターン超長期予想 -2019年版- を発表


JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社は、2018年12月12日、60資産の超長期見通しと期待リターンについてのレポート「Long-Term Capital Market Assumptions」(以下、LTCMA)の2019年版を発表した。

LTCMAは、J.P.モルガン・アセット・マネジメントが今後10〜15年のマクロ経済の見通しに基づき、60の資産クラスや投資戦略について期待リターン、想定ボラティリティ、相関係数を算出した年次レポートで、今年で23回目となる。

同レポートは、債券、株式からオルタナティブまで幅広い資産クラスや投資戦略において、具体的かつ透明性の高い形で期待リターンを算出している。例えば、債券については、今後の金融政策を予想した上で、先進国国債のみならず、社債や新興国債券など様々な種類の債券の長期期待リターンを算出している。また、株式でも、マクロ経済および各国の企業業績の見通しをもとに構築した算出プロセスで期待リターンを算出している。

2019年版LTCMAにおける超長期見通しの主なポイントは以下のとおり。

今後10〜15年の実質成長率見通しはおおむね安定的

今後10〜15年の実質GDP成長率見通しは、先進国で年率2.5%と、昨年対比で横ばいとなった。昨年は、過去10年続いた下方修正に底打ちのきざしが見える結果となったが、今年はさらに、その兆候が強まる結果となった。

株式の期待リターンの見通しは昨年比でほぼ横ばい、債券の期待リターンの見通しは米国を中心に改善

日本株式の期待リターンは、昨年対比で25bps(ベーシス・ポイント)上昇し、5.0%となった。これは昨年に比べてバリュエーション水準が改善したためであり、欧州や英国、新興国株式でも25bps上昇している。JPモルガン・アセット・マネジメントでは、「なお、外国資産に投資する場合は、円高によって期待リターンが目減りしかねない点に注意が必要です」とコメントしている。債券については、米国を中心に金融政策の正常化が進み金利が上昇した結果、幅広い国・地域で期待リターンが改善した。日本国債については25bps上昇し、0.75%となった。

期待リターンの平均値から大きく離れた「外れ値」への備えや対応を

JPモルガン・アセットマネジメントでは、次のように述べている。

景気サイクルの後期にある今、近い将来において、景気後退の到来は避けられないと考えます。そして、当然のことながら、景気後退期における金融市場や資産クラスのパフォーマンスは、我々が現在経験している景気拡大期のそれとは大きく異なります。つまり、景気拡大期における資産クラスのパフォーマンスは、期待リターンとして示される平均値付近となる可能性が高い一方、景気後退期の資産クラスのパフォーマンスは、期待リターンの平均値から大きくかけ離れた「外れ値」となる可能性が高いと考えられます。そのため、投資家は景気後退の時期や原因の予測よりも、景気後退時にポートフォリオを大きく毀損させるような「外れ値」を認識し、備えや対応を充分に行うことを重視すべきと考えています。

 

  • LTCMA特設サイト→https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/ltcma2019/