運用会社別純資産総額ランキング（2022年9月）ー82社全社で運用はマイナス

投資信託全体の動向

投資信託協会によると、2022年9月の投資信託業界全体（82社）の契約型公募投資信託の設定（販売）額は5兆9,190億円、解約額は5兆0,276億円、償還額は約135億円で、差引き8,779億円の純資金流入となりました。これで65ヵ月連続の流入超過となり、過去最長を更新しました。なお、全体の解約率は3.1%でした。

2022年9月末の全社合計の純資産総額は、前月比7兆1,309億円減少し、154兆9,787億円になりました。

（データ：投資信託協会）

ETFを除く公募株式投信の資金動向は、海外・内外の株式型、海外・内外資産複合型等で資金流入が続いたこと等から、9,910億円の純資金流入と、22ヵ月連続で流入超過となりました。ETFを除く公募株式投信の純資産総額は3兆4,590億円減少し、82兆9,717億円と、3ヵ月ぶりに減少に転じました。

2022年9月末現在、5,908本の公募投資信託（株式投信5,814本、公社債投信94本）が運用されています。

運用会社別資金増減状況

運用会社別の資金増減状況（設定額から解約額と償還額を足した額を差し引いた額=D）を見ると、資金増加となったのは82社中55社でした。

資金増加額が最も大きかったのはアセットマネジメントOneで、増加額は約1,497億円でした。

資金増加額が大きかった上位5社は次の通りです。

順位	運用会社名	設定額（A）	解約額（B）	償還額（C）	資金増減額（D）
1	ＡＭ－Ｏｎｅ	634,727	485,058	0	149,669
2	野　村	1,612,184	1,487,866	6	124,312
3	三菱Ｕ国際	709,296	612,388	1,739	95,168
4	三井住友ＴＡ	148,824	63,986	199	84,640
5	三井住友ＤＳ	152,024	91,194	704	60,126

（単位：百万円）

一方、資金減少額が最も大きかったのは日興アセットマネジメントで、減少額は約475億円でした

なお、資金減少とは、販売した額よりも、解約された額と償還した額の合計の方が多かったということで、資金が運用会社から流出していることを意味します。減少額が最も大きかった5社は次の通りです。

運用会社名	設定額	解約額	償還額	資金減少額
日　興	912,110	957,863	1,699	▲ 47,453
岡　三	101,442	112,065	0	▲ 10,622
ゴールドマン	22,356	30,609	0	▲ 8,253
ＵＢＳ	1,606	7,704	0	▲ 6,098
東京海上	18,513	22,458	2,016	▲ 5,961

(単位：百万円)

運用による資産増減状況

最も注目される運用による資産の増減(F)を見ると、9月は82社全社で運用がマイナスになりました。

運用によるマイナスが最も小さかった5社は次の通りです。運用による資産減少額が最も小さかったのはアクサ・インベストメント・マネージャーズで、減少額は約100万円でした。

順位	運用会社名	運用による資産増加額（単位：百万円）（F）
1	アクサ	▲ 1
2	ＨＣアセット	▲ 3
3	ＭＦＳ	▲ 5
4	モルガンＳ	▲ 16
5	ＳＧオスマン	▲ 34

(▲はマイナス)

一方、運用によるマイナスが最も大きかったのは野村アセットマネジメントで、マイナス額は約2兆259億円でした。運用によるマイナスが最も大きかった5社は次のとおりです。

運用会社名	運用による資産減少額（単位：百万円）（F）
野　村	▲ 2,025,875
大　和	▲ 1,116,096
日　興	▲ 1,051,484
三菱Ｕ国際	▲ 762,461
ＡＭ－Ｏｎｅ	▲ 531,174

純資産総額の増減状況

次に純資産総額の前月比での増減を見ると、純資産総額が前月比で増加したのは82社中5社だけでした。

純資産総額の前月比で増加した5社は次の通りです。最も増加率が大きかったのはお金のデザインで増加率は9.1%でした。

	運用会社名	純資産総額（単位：百万円）	増加率（前月比）
1	お金デザイン	70,232	+9.1%
2	中銀ＡＭ	18,249	+3.0%
3	パインブリッジ	131,646	+2.9%
4	あおぞら投信	223,681	+2.9%
5	ＨＳＢＣ	434,545	+0.4%

一方で、純資産総額の前月比での減少率が最も大きかった5社は次の通りです。

運用会社名	純資産総額（単位：百万円）	減少率（前月比）
ファイブスター	26,285	▲10.4%
ＳＧオスマン	773	▲9.6%
ＮＮ	5,512	▲8.3%
ベイビュー	9,044	▲8.1%
ティー・ロウ	934,496	▲7.7%

なお、投信資料館が毎月フォローしているレオス・キャピタルワークスの純資産総額は2022年9月に前月比で約4.4%（金額で約445億円）減少し、約9,603億円になりました。資金は約21億円増加しましたが、運用が約467億円のマイナスとなりました。