国内最大ファンド・ランキング(2022年9月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆7,530億円

 

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2022年9月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

 

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が純資産第1位を維持しました。同ファンドの9月末純資産額は1兆7,530億円で前月からは673億円減少しました。

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

(2022年9月末現在・出所 交付目論見書

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日まで。上位組入銘柄には、マイクロソフト、アルファベット、ユナイテッドヘルス・グループ、VISA、バーテックス・ファーマシューティカルズ、アマゾンなど、米国のIT大手や日本でもよく知られた企業が並んでいます。(2022年9月末現在)

 

一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2022年9月末の純資産総額は前月比3.5%(金額で163億円)減少し4,515.1億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

ひふみプラスの純資産の推移

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。

  • ひふみプラス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

 

純資産上位ファンドの投資対象

 

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型、日本の債券に投資するファンド、日本のREITに投資するファンドが各々2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。この内訳は前月と同じです。

 

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

投資対象

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が16本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が10本、年2回が4本でした。この分布は7月および8月と同じでした。

投資信託の分配頻度

資金増減−投資信託の人気を測るバロメーター

 

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、5月以降変わらず三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で、月間増加額は約615億円と大幅な資金流入が続いています。

 

なお、2022年9月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち22ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中4本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はインデックスファンド で、つみたてNISA対象ファンドです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2022年9月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 14,226.8 615.4
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 6,474.3 358.3
3 アライアンス 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,530.5 242.7
4 楽天 全米株式インデックス・ファンド 6,553.6 241.9
5 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 6,423.0 219.2

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、減少額は約82.9億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 7,817.9 -82.9
アライアンス 米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,814.1 -61.3
One 投資のソムリエ 5,517.4 -54.1
東京海上 円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 4,891.7 -52.5
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 3,919.0 -42.4

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは13本だけでした。

 

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、7月および8月と同じくピクテ・ジャパン株式会社の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、騰落率は26.2%でした。

 

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。5本中2本は米国のリートに投資するファンドで、2本は米国のS&P500指数への連動を目指すインデックスファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 ピクテ グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 10,430.6 26.2%
2 フィデリティ USハイ・イールド・ファンド 5,008.4 13.1%
3 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 14,226.8 9.4%
4 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 6,423.0 9.3%
5 大和 US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,567.6 6.7%

 

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、アセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》」で騰落率は−28.1%でした。

 

騰落率(過去5年)−騰落率トップは「米国成長株投信B(ヘッジ無)」

 

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった23本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスになったのは20本でした。

 

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は16.5%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス 米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,585.8 16.5%
2 アライアンス 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,530.5 16.4%
3 ゴールドマン netWIN テクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 6,695.2 15.4%
4 楽天 全米株式インデックス・ファンド 6,553.6 13.8%
5 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 3,476.1 11.7%

 

 

投資信託の純資産額ランキング(2022年9月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,530.5 242.7 -2.1% 16.4%
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 14,226.8 615.4 9.4%

3 ピクテ グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 10,430.6 113.2 26.2% 8.3%
4 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 7,817.9 -82.9 -25.3%

5 ゴールドマン netWIN テクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 6,695.2 -11.9 -15.0% 15.4%
6 フィデリティ USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,589.4 46.8 5.6% 7.8%
7 アライアンス 米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,585.8 110.6 -2.2% 16.5%
8 大和 US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,567.6 158.0 6.7% 9.3%
9 楽天 全米株式インデックス・ファンド 6,553.6 241.9 5.9% 13.8%
10 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 6,474.3 358.3 3.0%
11 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 6,423.0 219.2 9.3%
12 大和 FW  日本債券セレクト 6,182.5 22.1 -4.7% -0.4%
13 One 投資のソムリエ 5,517.4 -54.1 -12.0% -0.2%
14 フィデリティ USハイ・イールド・ファンド 5,008.4 46.2 13.1% 6.6%
15 東京海上 円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 4,891.7 -52.5 -4.4% -0.4%
16 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,699.5 -31.9 -28.1% 8.5%
17 大和 FW  日本株式セレクト 4,689.1 46.7 -8.0% 4.6%
18 レオス ひふみプラス 4,515.1 31.9 -18.1% 3.3%
19 One US-REITオープン《ゼウス》 4,443.6 84.1 4.9% 6.9%
20 大和 J-REITオープン(毎月) 4,349.0 161.5 -3.3% 6.5%
21 フィデリティ 日本成長株・ファンド 4,340.9 18.4 -16.5% 4.3%
22 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,133.2 141.9 -2.8% 7.7%
23 野村 外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(DC) 4,025.3 49.2 5.3% 11.6%
24 ニッセイ 〈購入・換金手数料なし〉外国株式インデックスF 3,998.7 46.8 5.3% 11.7%
25 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 3,919.0 -42.4 -23.7%

26 アライアンス 米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,814.1 -61.3 -25.4% 9.1%
27 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 3,659.7 43.1 -3.7%

28 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,518.5 -15.6 -11.5% 9.5%
29 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 3,476.1 76.0 5.4% 11.7%
30 フィデリティ 世界割安成長株投信B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 3,447.7 109.8 3.5%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)