確定拠出年金の投資教育、後半は個別の商品について


確定拠出年金の投資教育の後半が始まる。講師は交代。概要や仕組みの説明と商品の説明は担当者が異なる。郵便局で取り扱う運用商品は全部で19種類。元本確保型商品に該当するものが7種類と元本確保型以外の商品が12種類。この説明をひとつずつ受けることになる。

まずは元本確保型商品。私の選択した「ゆうせいAプラン」では、信託銀行の定期預金が3種類と郵便局の通常郵便貯金、定額郵便貯金、定期郵便貯金、終身年金保険がラインナップされている。今のような超低金利の時代に預貯金を選択するつもりはないから、講師の説明に「はい」、「はい」、「はい」と相槌を打ってゆく。それでも知らない用語が出ると、せっかく来たのだからとばかりに聞いてみる。「通常郵便貯金って何ですか?」「銀行の普通預金に相当するものです」「あ~そうなんですか」と、こんな感じで進む。

次に、元本確保型以外の商品説明に入る。元本確保型以外の商品というのは投資信託11本と即時確定拠出終身年金保険が1つ。投資信託については11本の投資信託について、カテゴリー、投資方針、投資対象、ベンチマーク、リスク、信託報酬など24項目が一覧になった表とファンド別に「個人型年金商品説明書」という1枚ものの資料が渡される。目論見書は提供されない。この一覧表を見ながら講師が説明してゆく。説明といっても、一覧表を上から順に読んでいるだけにすぎない。ただひたすらに読んでゆく。2本目で飽きてくる。まだ9本あると思うとややうんざりしてくる。この表を読んだだけで投資信託が理解できるとは到底思えない。理解しなければ買うなということなのだろうが、もう少し資料と説明の仕方に工夫が欲しいと感じながら説明を聞いてゆく。リスクに関するところでは「このファンドには価格変動リスク信用リスク、解約によるファンドの資金流出に伴う基準価額変動リスク等があります」と、講師は一覧表の記載どおりに声を出す。これを12ファンド分、つまり12回聞くことになる。質問すれば別なのであろうが、価格変動リスクがどういうものか、信用リスクがどういうものかという詳しい説明はない。こんな調子で投資信託12本と終身年金の資料読みが終わると教育は終了する。

教育が終わると、「・・・確定拠出年金制度等の具体的な内容、資産の運用の基礎知識、金融商品の仕組みと特徴、運用の方法に係る金融商品の情報提供について、十分な説明を受けたことを確認します。」と書かれた用紙に記名押印した上で、各項目について「確認」という文字を書き入れることが求められる。もちろん理解していないということになれば、再度説明してくれるのだという。追加の説明が必要なければ、この記名押印した用紙をコピーしたものが渡される。将来、何かトラブルが起きた時に、説明した、されていない、という言い争いを回避するためだろう。こちらは説明をした、それをあなたは十分理解したと署名した、だからこちらは説明責任を果たした・・・そいうことになるのだということだけは容易に推測できた。