海外ETFについて、どのような点に注意すればよいですか?


海外ETFの注意点

海外ETFとは、海外で設定され、海外の証券取引所に上場しているETFのことで、ニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所、香港証券取引所などに上場しているETFの多くについて、国内の証券会社を通じて購入することが可能です。例えば、取り扱いファンド数の多い証券会社の一つである楽天証券では、2017年8月17日現在、330本の海外ETFを取り扱っています。この他に、マネックス証券、野村證券、SBI証券などが多くの海外ETFを取り扱っています。

海外ETFについては選択肢が豊富である、信託報酬が安いといったメリットが強調されることが多いのですが、注意すべき点がいくつかあります。

 

手数料負担が大きくなることがある

海外ETFの信託報酬(運用管理費)は、国内のETFと比較して、かなり低い水準に設定されており、コストメリットのある投資対象と思われていますが、実際には必ずしもそうならないこともあります。

海外ETFの購入にあたっては、国内の証券会社に支払う売買手数料(購入時及び売却時)、外国証券取引口座の口座管理費、為替手数料、信託報酬などが必要になり、これらを合わせると、かなりの額の費用負担が発生することがあります。

特に、売買額が少額の場合は、投資金額に対する費用の割合がかなりの大きさになることもあります。これらの手数料をきちんと理解した上で、それでもコストメリットがある投資かどうかを判断する必要があります。なお、外国証券取引口座の口座管理費については、証券会社によっては不要なところもあります。

 

為替リスクが伴う

海外ETFは外貨建ての投資対象ですから、為替リスクが伴います。通常の投資信託であれば、為替ヘッジのあるファンドを選択することで、為替リスクを軽減することができますが、海外ETFは全て外貨建てであり、為替ヘッジは存在しません。米ドル建てやユーロ建てのファンドだけでなく、途上国の株式や債券に投資するファンドでは、為替リスクはより大きくなる傾向にあります。

 

ファンドの情報が限られている

海外ETFの説明資料については、ブラック・ロック社のiSharesなど一部のファンドを除くと、日本語では日本証券業協会による「外国証券の取引に関する規則」に従って作成された外国証券内容説明書と呼ばれる概要程度の資料が存在するだけです。一般に、目論見書のような資料は日本語では入手できません。目論見書は海外ではプロスペクタス(prospectus)と呼ばれており、上場している海外の取引所や運営管理会社のホームページに英文で掲載されているので、自分で見つけて理解する必要があります。

 

アクティブ運用のファンドがある

日本の取引所に上場しているETFは、2017年10月末日現在、株価指数や債券指数など、特定の指標への連動を目的としたインデックスファンドですが、海外のETFにはアクティブ運用のETFが登場しています。ETF=インデックスファンドであるという概念は海外ETFでは通用しないことを念頭に置くことが大切です。

 

繰上償還されることがある

これは海外ETFに限定されることではありませんが、海外ETFも途中償還されるものがあります。例えば、2009年5月に米国を代表するETFの運用会社であるインベスコ・パワーシェアーズは19本のETFの償還を発表しました。この中には、日本で取り扱われているPOWERSHARES DYNAMIC Asia PacificとPOWERSHARES DYNAMIC EUROPEが含まれていました。海外ETFの償還が決まると、長期的に保有していたいと考えていた投資家でも、最終売買日までに売却するか、償還を待って現金を受け取らなければなりません。 売却する場合には、通常の取引手数料がかかってしまいます。

 

馴染みの薄いインデックスがある

インデックスファンドやETFの多くは、証券市場を代表するような株価指数や債券指数など、広く投資家に認知された指数への連動を目指すものですが、海外のETFの中には、日本においてはほとんど馴染みのない指数への連動を目指すものや、特定のETFのために新たに開発された指数への連動を目指すものがあります。

また、運用会社が独自に開発したファンダメンタル要因によってポートフォリオを加重することで市場に勝つことができると謳うファンダメンタル・インデックスへの連動を目指すものまで登場しています。一般的な指数に比べると、これらの指数の情報を入手することが困難であり、市場の動向から指数の動向をイメージすることが難しいことがあります。また、指数の過去のパフォーマンスも入手できないものも多くあります。