農林債券はどのような債券ですか?


農林債券とは

農林債券農林中央金庫が発行する債券です。確定利回りで安全性の高い投資対象として、マネーマネージメントファンド(MMF)や公社債投資信託の多くが、農林債券を組み入れています。「農林債券」という言葉は、投資信託目論見書の組入資産の明細の欄に出てきます。

 

農林債券と農林中央金庫

農林債券は農林中央金庫が発行する債券です。農林中央金庫は、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合などの出資による、農林水産業の協同組織を基盤とする民間の金融機関で、大正12年に「産業組合中央金庫」として設立され、その後、昭和18年に「農林中央金庫」と名称が改められました。

農林中央金庫は、「農林中央金庫法」に基づいて債券を発行することが認められており、この債券を「農林債券」と呼びます。農林債券の発行により調達した資金は、農林水産業に関連した企業等への融資などに活用されています。農林中央金庫は民間の金融機関ですが、自己資本比率が高く(2004年3月31日現在、12.94%)、長期債務格付及び短期債務格付も高いことから、農林債券は安全性の高い投資対象と考えられています。

ただし、ワリノー・リツノー・リツノーワイド(売出しの方法により発行する農林債)の発行は、平成18年3月をもって中止されました。

 

【具体例】

農林債券にはワリノー、リツノー、リツノーワイドの3種類がありました。

ワリノー 1年満期の割引債券です。利回りは満期まで変わらない確定利回りです。割引債ですから、額面から割引料(利息相当分)を差し引いた金額を払い込み、満期時に額面金額を受け取ります。「割引農林債券」とも呼ばれます。
リツノー 5年満期の債券です。利回りは満期まで変わらない確定利回りです。半年ごとに半年分の利息を受け取ります。利付農林債券とも呼ばれます。「ろ農林債券」とも呼ばれます。
リツノーワイド 5年満期の債券です。利回りは満期まで変わらない確定利回りです。半年ごとの利息を元金に加えて運用する半年複利の商品で、満期時に5年分の利息と元金を一括で受け取ります。「農林債券(利子一括払)」とも呼ばれます。