絶対収益型ファンドとは?


絶対収益型ファンドとは?

投資信託は、一般に、特定のベンチマークや参考とする指標に対する超過収益を追及して運用が行われますが、このような相対的な超過収益を追及するのではなく、投資対象とする市場のパフォーマンスに関わらず絶対収益を追求すること、つまり、市場動向に関わらず投資元本を増やすことを目標としたファンドもあり、そのようなファンドを一般に絶対収益追及型のファンドと呼びます。ただし、必ず収益を得られることを意味するものでも、保証するものでもありません。

投資信託協会の商品分類においては、特殊型の中の「ロング・ショート型/絶対収益追求型」として分類され、目論見書又は投資信託約款において、「特定の市場に左右されにくい収益の追求を目指す、若しくはロング・ショート戦略により収益の追求を目指すファンド」と定義されています。

 

絶対収益型ファンドの例

例えば、ブラックロック・ジャパンが運用する「ブラックロック世界株式絶対収益追求ファンド (為替ヘッジあり/為替ヘッジなし)」がその一例です。両ファンドは、マザーファンドへの投資を通じて、 主として世界の株式および株式関連の派生商品等に投資し、ロング・ショート(買建および売建)ポジショ ンを構築する投資信託証券に投資を行い、市場動向に左右され にくい投資収益を追求するファンドです。

過去においては、ピーシーエー・アセット・マネジメント株式会社の「PCA絶対収益追及ファンド」(2009年8月28日償還)やSBIアセットマネジメント株式会社の「SBI絶対収益追求ファンド(愛称:ジェロニモ)」(2009年1月20日償還)などがありました。「PCA絶対収益追求型ファンド」は、日本を含む主要先進国の株式・債券・通貨等を主な投資対象とし、コンピューター・モデルを用い、複数のロング&ショート戦略を組み合わせることにより、特定の市場の動きにとらわれない安定的な収益の獲得を目指した運用を行なうというファンドでした。一方、「SBI絶対収益追求ファンド」は、マザーファンドへの投資を通じて、内外の株式、債券、為替、先物、デリバティブ商品等を実質的な投資対象とし、ケイマン籍外国投資法人「ジェロニモ・マルチストラテジー・オフショア・ファンド」及びケイマン籍外国投資法人「ジェロニモ・セクターオポチュニティ・オフショア・ファンド」に投資を行い、信託財産の中長期的な成長を目指して運用を行うファンドでした。

 

絶対収益追求型ファンドの運用手法

このように、絶対収益追求型のファンドは、ロング&ショート戦略マーケット・ニュートラルなど、かつてはヘッジファンドの運用手法として知られた運用手法を投資信託の運用に利用することで、絶対収益の獲得を目指します。

ロング&ショート戦略は、どんな相場状況のおいても、割高に置かれている銘柄と割安に置かれている銘柄が存在するという考え方を基本にしており、割安に置かれており、今後は市場全体をアウトパフォームすると期待できる銘柄をロングとして、同時に割高に置かれており市場全体をアンダーパフォームすると予想される銘柄をショートにする戦略です。

一方、マーケット・ニュートラル戦略も、割安に置かれており、市場全体をアウトパフォームすると期待できる銘柄をロングとして、同時に割高に置かれており市場全体をアンダーパフォームすると期待される銘柄をショートにしますが、この時、同時に同じ金額だけのロングポジションとショートポジションを作り、かつ、各セクターにおいてもロングとショートを同じ金額作ることで、理論的にはマーケット・リスクを相殺するという戦略です。

絶対収益追求型のファンドでは、各運用会社が長年にわたり開発してきたコンピューター・モデルによる運用が行われます。理論的にはリスクが軽減された中で、ロングのみのファンドよりも高いパフォーマンスが達成できるというものですが、いずれの場合も、各運用会社のコンピューター・モデルやその銘柄選択能力にパフォーマンスの成否が大きく依存しています。また、各ファンドがとるリスク水準もファンドにより異なります。また、必ず収益を得られることを意味するものではありません。ファンド名に惑わされることなく、絶対収益型のファンドの過去のパフォーマンスを確認することが大切です。