三井住友トラスト・アセットマネジメント、運用資産の温室効果ガス排出量ネット・ゼロに向けた中間目標を設定


三井住友トラスト・アセットマネジメントは、 運用資産の温室効果ガス排出に関する2030年中間目標を設定したと2022年5月17日に発表した。同社は資産運用会社によるグローバルなイニシアティブ「Net Zero Asset Managers initiative(以下「NZAMI」)」に2021年7月に参画し、 2050年までに投資先企業の温室効果ガス排出量ネット・ゼロの実現に向けて取り組んでいくことを表明している。

 

三井住友トラスト・アセットマネジメントは、 企業とのエンゲージメントや議決権行使、 アセットオーナーや政府関係機関などのステークホルダーとの協業、 投資戦略の高度化や顧客への投資機会(商品)の提供といった手法を通じて、 投資先企業の温室効果ガス排出量ネット・ゼロを目指している。今回設定した2030年中間目標は、 運用資産(2021年の6月末時点:約85兆円)の50%(約43兆円)を対象とし、 そのカーボンフットプリント(単位当たり温室効果ガス排出量)を2019年比半減(50%削減)するもの。 なお、 今回対象外とした運用資産は、 ソブリン債等の現時点では温室効果ガス排出量の計算方法が確立されていない資産で、 今後計算が可能となったものから順次対象資産として追加することを検討する方針。

 

三井住友トラスト・アセットマネジメントは、 日本・欧州(ロンドン)・北米(ニューヨーク)の3拠点を通じてグローバルで網羅的なエンゲージメントを展開できる体制を構築している。 気候変動問題はその最重要テーマの一つであり、 様々な業種に亘って課題解決に向けて幅広くエンゲージメントを展開している。 その中でもグローバルレベルでみた温室効果ガス総排出量削減インパクトの大きい企業100社程度※1については、 特に重要な企業群として注力し、 効果的な活動を推進している。 また、 議決権行使においては、 投資先企業にエンゲージメントの申し入れに応じてもらえない場合や、 継続的にエンゲージメントを実施したにもかかわらず状況に改善がみられない場合には、 取締役の選任議案に反対する方針としている。

 

さらに同社は、 多くのグローバル・イニシアチブでの活動にも積極的に参画し、 グローバルな視点でESG課題の解決に臨んでいる。 具定例として、 CA100+(Climate Action 100+)では、 グローバルステアリングコミッティメンバーとして全体の運営に参画しつつ、 アジア地域でのリード・マネージャー※2も務めている。 加えてアジア地域では、 AIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)のAsian Utilities Engagement Program※3でリード・マネージャーを務めている。 また、 北米地域では、 Ceres(Coalition for Environmentally Responsible Economies)において、 Ceres Working Group on Land Use and Climate Terms of Reference※4に参画している。

なお、 NZAMIにおいては、 2022年3月、 署名機関6社で構成される「アドバイザリー・グループ」のアジア代表メンバーに選任され、 NZAMI全体の運営に参画している。 このような多様な協業を通じ、 様々な視点を持って気候変動問題に積極的に取り組んでゆく。

 

三井住友トラスト・アセットマネジメントは次のように述べている。

弊社は、 日本版スチュワードシップ・コードに賛同する責任ある機関投資家として、 また国連責任投資原則(PRI)の署名機関として、 企業に事業活動を通じESG課題の解決を促すことにより、 企業及び社会全体の持続的成長、 サステナビリティの実現を目指しています。 気候変動問題への対応は、 そのための重要な構成要素であり、 本件2030年中間目標の設定を機に低炭素・脱炭素社会への円滑な移行、 その先の温室効果ガスネット・ゼロ社会の実現に向けて一層の貢献をしていく方針です。

※1 日本株約40社・外国株約60社で、 弊社保有株式全銘柄の温室効果ガス排出量合計の約40%をカバーしていると推定

※2 参加する運用機関を代表してエンゲージメントを行う役割

※3 CA100+対象外企業の中から排出量の多いアジア公益企業への協働エンゲージメントプログラム

※4 土地利用・気候変動問題に関する協働エンゲージメントプログラム