カタリスト投資顧問、株式会社NIPPOに対する公開買付けにおける少数株主利益保護に関して問題提起


カタリスト投資顧問株式会社は、 同社が投資助言を行う投資信託であるマネックス・アクティビスト・マザーファンド(以下「MAMF」)を通じて、 日本企業にエンゲージメント投資を行っている。

カタリスト投資顧問株式会社によると、先日、 MAMFの投資先である、 株式会社NIPPO(以下「NIPPO」)に関して、 NIPPOの親会社であるENEOSホールディングス株式会社とザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクによる、 特別目的会社を介した公開買付けの開始予定(以下「本件TOB」)が公表され、 NIPPOは本件TOBへの賛同を表明し、 株主への応募推奨を行った。

カタリスト投資顧問によると、本件TOBは、 経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」において構造的な利益相反が認められるとされている「支配株主による従属会社の買収(親会社による上場子会社の非公開化等)」に当り、 通常のM&Aよりも慎重な検討が求められるケースであり、 少数株主利益について充分に考慮されているか、 同社はその内容を精査した。

その結果、 カタリスト投資顧問は、 NIPPOの取締役会と特別委員会が本件TOBの検討プロセスにおいて、 少数株主の利益を考慮して最善の努力を以て交渉および意思決定を行ったとは残念ながら判断できず、 最も重要な条件である現在の公開買付価格での応募推奨には疑問があり、 再考の余地があると考えるにいたった。

したがって、 現状の条件で本件TOBに応募することは投資信託受益者*¹ に対する説明責任を全うできないと考えることから、 本日(2021年9月24日)、 NIPPOの取締役会および特別委員会に、 1.新たな財務アドバイザーからの株式価値算定書およびフェアネス・オピニオンの取得、 2.積極的なマーケット・チェック(潜在的買収者の追求)の実施、 および、 3.特別配当との比較の実施を提案する書簡を送付した。

カタリスト投資顧問は次のように述べている。

当社は、 投資先への提案は原則非公開で実施する方針にしておりますが、 本件TOBについては既に公表済みの案件であること、 本件TOBの開始予定時期に鑑みて早期にご検討いただく必要があること、 また他の株主様にも応募可否についてご判断いただくことが望ましいことから、 当社の提案を公表することといたしました。

今後、 日本市場においては、 ガバナンス強化の潮流から親子上場の解消を企図したM&Aの増加が予見されます。 そのたびに、 本件TOBのように少数株主利益保護に懸念がある事態が生じる、 即ち財務状況に鑑みてTOB価格が低すぎるようなことが起きるのは、 市場参加者として看過すべきではないと考え、 今回の提案公表にいたりました。 当社の意見の表明が、 本件TOB、 ひいては利益相反性の高いM&Aにおける少数株主保護について、 一層の議論の端緒となることを期待します。

*¹ マネックス・アクティビスト・マザーファンドはファミリーファンド方式のマザーファンドのため、 ここでいう受益者はベビーファンドの受益者です。