オリックス、英国の資産運用会社Gravis Capital Managementを買収


オリックス株式会社は、 欧州の現地法人ORIX Corporation Europe N.V.(以下「OCE」)を通じて、 英国の独立系資産運用会社Gravis Capital Management Ltd.(本社:イギリス・ロンドン、 以下「GCM」)の発行済株式の70%を取得することについて合意したと2020年12月4日に発表した。今後、規制当局の承認等を経て、 2021年3月までの株式の取得手続き完了を目指す。

GCMは、 主に英国のインフラや再生可能エネルギー、不動産などESGの観点から選別したアセットを投資対象としたファンドを運営するオルタナティブ資産運用会社。現在、 クローズドエンド型上場ファンドなど6本、 資産規模合計約2.9bnポンド(約4,000億円)のファンドを運営しており、 機関投資家を主な顧客としている。

運用ファンドでは、 英国での風力や太陽光などの再生可能エネルギーやPFIを中心としたインフラプロジェクト向け投資ファンド「GCP INFRA」や、 ロンドンを中心とした学生寮特化型不動産ファンド「GCP STUDENT」、 賃貸住宅や学生寮、 老人ホームなどの住居系資産を中心とした資産担保ローンファンド「GCP ASSET BACKED」などを取り扱っている。なお、 「GCP INFRA」および「GCP STUDENT」は、 FTSE250の銘柄に組み込まれている。

オリックスは、 2002年から日本の不動産投資信託(J-REIT)「オリックス不動産投資法人」を運用するほか、 2013年にオランダを本拠にグローバル展開している資産運用会社Robeco Groep N.V.(現OCE)を買収し、 米国では不動産ファイナンス分野におけるファンド運営会社や資産運用会社を買収するなど、 グローバル市場での多角的なアセットマネジメント事業の拡大を進めている。また、 2018年には英国にORIX Corporation UK Limitedを設立し、 欧州における再生可能エネルギーやインフラ関連などへの投資活動を行っている。

オリックスは次のように述べている。

GCMが運営するファンドは、再生可能エネルギーやインフラ、 不動産を投資対象としていることから、 オリックスグループの各事業との親和性が高く、 本買収により既存ファンドのポートフォリオの拡充やファンドの新規組成など、 GCMのさらなる成長の後押しが可能になります。 GCMはこれまでの経営陣のもとでファンド運営事業を展開するとともに、 オリックスはGCMの経営強化および事業拡大を支援します。

オリックスは、 持続可能な社会の実現に向けて、 今後も成長が見込める分野への投資を積極的に行い、 グローバルマーケットでの事業拡大を目指してまいります。