GPIF、「アジアンインベスター インスティテューショナル・エクセレンス・アワード2015」を受賞


年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、アジアにおける優秀な運用会社を選ぶ「AsianInvestor Institutional Excellence Awards 2015(アジアンインベスター
インスティテューショナル・エクセレンス・アワード 2015」(主催:「アジアンインベスター」)を受賞した。

GPIFは、「このたびの受賞は、GPIFが日本、そしてアジアで業界を先導する運用会社として評価されていることの証左といえます」と述べている。今回の受賞理由として、
昨年10月の基本ポートフォリオの変更、日本版スチュワード・シップコードの受け入れ、日本株における新しいインデックスの採用等が挙げられている。

「アジアンインベスター インスティテューショナル・エクセレンス・アワード」について

毎年、アジアンインベスター誌により選出されるインスティテューショナル・エクセレンス・アワードは、ベストプラクティスと認められたアジア太平洋地域の機関投資家を表彰するもす。

詳細「アジアンインベスター 2015年12月号」該当部分より引用(GPIFにて英文を仮訳)

日本部門 年金積立金管理運用独立行政法人

過去18ヶ月にわたる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に起こった変化はかつて例がないほど劇的なものだった。多くの点でそれらは国の再生の象徴である。ALM上の要請に対処するためにアセットアロケーションと運営体制を見直すことによって1.3兆ドルの資金は長年の保守主義から大胆に離脱した。GPIFは、平成26年10月末から、国内債券を60%から35%に減らし国内株式を12%から25%に増やすよう、基本ポートフォリオを見直し、中期計画を発表した。同時に、外国株式を12%から25%に、外国債券を11%から15%に増やす一方、ポートフォリオの5%を上限にオルタナティブ資産を導入した。

運用委員会の委員であった水野弘道が今年の1月からGPIFにおいて初めてとなるCIOに就任したことがその後明らかになった。彼は数ヶ月前までロンドンを本拠とするプライベートエクイティ投資会社であるコラーキャピタルに勤めていた。彼は、GPIFに専門性をもたらし、CPPIBやGICの事例からベストプラクティスを取り出すだろう。

GPIFの三谷隆博理事長は、「内部統制とリスク管理体制の強化を図るとともに、運用能力のさらなる向上のために専門的な人材の育成に努めているところである」と述べた。加えて、GPIFは、日本企業のガバナンスを向上させようと努力し、投資と対話を通じて企業の持続的な成長を促すために導入された日本版スチュワードシップ・コードを受け入れるとともに、外部の運用機関にも受け入れるように要請した。

株式ポートフォリオの見直しの中で、GPIFは、より高いROEと利益を有する企業で構成されたJPX日経400を含む3つのインデックスを新たに採用した。GPIFは、アクティブ運用機関には、固定報酬制に替わって実績連動報酬制も導入するとともに、パフォーマンスだけではなく運用プロセスにより比重を置くよう、外部の運用機関の選定プロセスを変更した。

日本の年金基金業界におけるGPIFの指導的立場を考えれば、ベストプラクティスに向けたGPIFの断固とした攻勢による衝撃は大きく拡がっていくだろう。