NISAの利用状況〜最も買われているのは一般NISAでは投資信託


NISA(ニーサ)は、証券会社や銀行などの金融機関でNISA専用の口座を開設し、その口座で投資信託や上場株式等を購入すると、本来であれば20%(復興特別所得税を含めると20.3150%)課税される配当金や売買益等が非課税となる制度です。2014年1月にスタートした制度で、正式名称を少額投資非課税制度といいます。

2020年7月現在、非課税期間5年の「一般NISA」、非課税期間20年の「つみたてNISA」、非課税期間5年で未成年者のみを対象とした「ジュニアNISA」の3つのタイプがあります。

では、現在の利用状況(口座開設数・買付金額)はどうなっているのでしょうか。

金融庁が2020年7月14日に公表した、2020年3月末時点の「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査」によると、2020年3月末時点での開設口座数は、一般NISAが1,185万9,048口座、つみたてNISAは219万6,808口座、ジュニアNISAは35万8,518万口座でした。2019年12月との比較では、つみたてNISAが+16.2%と最も大きく増加しました。

 

一般NISAの年代別内訳〜最も利用者が多いのは60歳代と70歳代

一般NISAの口座数の年代別内訳を見ると、60歳代と70歳代が各々約257万口座(全体の21.7%)、約255万口座(同21.6%)と最も多く、次いで50歳代が約204万口座(同17.2%)と続いており、中高年の利用が最も多いことがわかります。この傾向は2019年12月時点と概ね同じでした。また2019年12月末との比較では、増加率が最も大きかったのは20歳代で、増加率は4.7%でした。

つみたてNISAの年代別内訳〜最も利用者が多いのは30歳代と40歳代

つみたてNISAの口座数の年代別内訳を見ると、30歳代と40歳代が各々約57万口座(全体の26.1%)と最も多く、一般NISAに比べて若い世代の利用割合が大きくなっています。また、伸び率を見ると、全ての年代において大きく伸びていますが、中でも、30代の伸び率が19.4%と最も大きくなりました。

ジュニアNISAの年齢別口座開設状況

ジュニアNISAの2020年3月末時点の口座数は35万8,518口座で、2019年12月から1.4%増加しました。年齢別に見ると、6〜10歳が全体の27.2%と最も多く、次いで11〜15歳が全体の26.7%、1〜5歳が23.3%と続いています。また、1〜5歳、6〜10歳、11〜15歳は、2019年12月末に比べて口座数が増加しましたが、0歳は−18.5%と大きく減少しました。また、16〜20歳も4.4%減少しました。なお、ジュニアNISAの新規口座開設は2023年で終了することが決定しています。

一般NISAで何が買われているか〜投資信託が過半数を占める

一般NISAでは、上場株式、投資信託ETFREIT不動産投資信託)に投資することができますが、実際に一般NISAを利用している投資家はどのような商品を購入しているのでしょうか。

2020年3月末現在の一般NISAにおける買付額(買付時の時価により算出)は、2019年12月から7.2%増加して19兆1,708億円となりましたが、その商品別内訳は次の通りです。投資信託が最も多く、全体の約56%を占めています。増加率で見ると、ETFが+15.9%と最も大きく伸びました。

つみたてNISAで何が買われているか〜インデックス型投資信託が人気

次に、つみたてNISAを利用している投資家が購入している商品を見てみましょう。

投資家がつみたてNISAで利用できる商品は要件を満たした「インデックス型の投資信託」、「アクティブ型の投資信託」、そして「ETF」です。

2020年3月末現在のつみたてNISAにおける買付額は、2019年12月から25.5%増加して3,732億8,240万円となりましたが、その商品別内訳は次の通りです。インデックス型の投資信託が最も多く、全体の約75%以上を占めています。増加率で見ても、インデックス型の投資信託の増加率が28.2%で最も高くなっています。

*つみたてNISA買付額は、金融庁の発表資料によると一部の調査対象金融機関で商品別の計数を取得できなかったということで、総数と内訳が一致していません。