2015年11月も17本のファンドが繰上償還

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投資信託協会によると、2015年11月に28本の追加型の株式投資信託が償還を迎えました。このうち11本は満期償還でしたが、残りの17本については、あらかじめ設定されていた運用期間を繰り上げて償還する、いわゆる繰上償還が行なわれました。

繰上償還の理由は、全てのファンドにおいて純資産総額が小さいこととされています。

1口当り償還額（A）については、設定時の基準価額である10,000円を上回ったのは16本だけでした。また、1口当り償還額と運用期間中に投資家に支払われた分配金の合計額を足した額(A+B)が10,000円を下回ったのは3本でした。

1口当り償還額と分配金の合計金額が最も大きかったのは大和証券投資信託委託の「ブル２．５倍日本株ポートフォリオ３」で、合計金額は47,530.57円でした。同ファンドは、株式の組入総額と株価指数先物取引の買建玉の時価総額の合計額が、原則として、信託財産の純資産総額の2.5倍程度になるように調整することで、日々の基準価額の値動きが国内の株式市場の値動きの2.5倍程度となることをめざすブル型のファンドでした。一方、合計金額が最も小さかったのは同じく大和証券投資信託委託の「ベア１．５倍日本株ポートフォリオ３」で、1口当り償還額は2,343.18円で、運用期間中に分配金の支払いはありませんでした。同ファンドは、日々の基準価額の値動きが国内の株式市場の値動きの1.5倍程度逆となることをめざすベア型ファンドでした。

11月の償還において特筆すべきは、ＮＮインベストメント・パートナーズ株式会社の「ＮＮグローバルバランスオープン」です。NNグローバルバランスオープンは、マザーファンドの組入比率の異なる「安定投資型（愛称：アガシー・ファンド）」「分散投資型（愛称：バーク・ファンド）」「積極運用型（愛称：カッター・ファンド）」があり、３本のファンドの総称として「ファンド・フリート」と名付けられていました。各ファ ンドは、それぞれの基本配分比率に従い、日本の株式･債券、海外の株式･債券および短期金 融資産に分散投資を行うものです。NNインベストメント・パートナーズでは、当初この３本全てについて、約款の繰上償還条項に従い、当時の資産規模では本来の商品性を維持した運用業務の継続が非常に困難な状況という理由で償還を行う予定でしたが、「積極運用型」については、異議申立ての受益者様の受益権の合計口数が基準日現在のファンドの受益権総口数の2分の1を超えたため、繰上償還が取り止めとなりました。繰上償還の取り止めは極めて珍しいケースです。なお、ＮＮグローバルバランスオープン（積極運用型）は、2015年12月25日に、再び繰上償還予定の発表が行われ、2016年1月25日までの異議申立期間が設けられています。2015年12月1日現在の同ファンドの純資産総額は約150万円にまで減少しており、どのような結果になるのか注目されます。

（データ出所：投資信託協会）