ダークプールとは?


ダークプールとは

ダークプールは、証券取引所や認可された私設取引システム(PTS=Proprietary Trading System)を通さず、取引参加者が匿名で、注文価格や注文量を外部に公開することなく証券取引を行えるシステムのことです。ダークプールでは、証券会社が顧客から受けた注文を自己勘定の注文や別の顧客の注文と付け合わせます。このシステム内部での気配情報が外部に出ないことから英語ではdark pool of liquidity(流動性のダークプール)と呼ばれ、日本語ではダークプールと呼ばれています。

証券取引について

証券取引には証券取引所で行われる「取引所取引」とそれ以外の「取引所外取引」があります。

証券取引

  1. 取引所取引
  2. 取引所外取引

取引所取引

取引所取引は、東京証券取引所ニューヨーク証券取引所ロンドン証券取引所など、認可された証券取引所を通じた取引のことで、最も一般的な証券取引の形態です。取引所取引には立会取引と立会外取引があります。

  1. 立会・・・立会取引は、いわゆる市場が開いている時間の取引のことです。東京証券取引所での日本株の現物取引であれば9:00-11:30と12:30-15:00に取引所で行われる取引のことです。
  2. 立会外取引・・・立会時間以外に行われる取引です。東京証券取引所ではToSTNet(Tokyo Stock Exchange Trading Network System)取引と呼ばれます。主に、証券会社の自己売買や機関投資家といった大口の取引が行われます。取引時間は取引のタイプにより異なります。

 

取引所外取引

取引所外取引には、証券会社が認可を受けて開設する私設取引システム(PTS)とそれ以外のダークプールと呼ばれる証券会社がコンピューター・システムを用いて、顧客の注文と対当する取引相手を探し出し、取引を成立させるシステムがあります。

PTS

PTSでは、証券会社は、一般に東京証券取引所と複数のPTSへ接続することで、株価(気配値)を自動的に比較し、最も有利な価格で発注できる「SOR(スマート・オーダー・ルーティング)サービス」を利用して、より有利な株価で約定できる市場で注文を執行します。

日本国内のPTSには、チャイエックス・ジャパン株式会社が運営するチャイエックスPTSとSBIジャパンネクスト証券株式会社が運営するジャパンネクストPTSがあります。

なお、米国では、PTSを含めて取引所外取引をATS(代替取引システム)と呼び、ATSはダークプールと見なされています。

 

ダークプール

ダークプールは証券会社がコンピュータ・システムを用いて、顧客の注文と対当する取引相手を探し出し、注文を証券会社の社内でつけあわせて取引を成立させる取引です。ここで付け合わせられた取引はToSTNetに発注を行い約定されます。

金融庁では、2019年2月19日に開催された金融審議会ワーキング・グループの資料の中で、ダークプールを「電子的にアクセス可能で、取引前透明性のない(気配情報を公表しない)取引の場」としています。

取引情報が公開されないため、主に、機関投資家やヘッジファンドなど、自分の売買を外部に知られたくない大口の投資家が利用しますが、最近は個人投資家の利用が増えていると言われています。大規模な取引を行う機関投資家やヘッジファンドの動向は市場関係者全てが注目しており、取引が公開されてしまうと大きな影響をもたらす可能性があります。ダークプールで取引を行えば、そのシステムが自動的に売買を成立され、その情報は外部には出ないため、市場への影響を最小限に抑えられます。

 

ダークプールについての規制

日本では、これまではダークプールでの取引について規制は行われていませんでしたが、金融庁の金融審議会で規制導入に向けた議論が開始されています。(2019年2月現在)。現在、ダークプールの問題点として次の点が挙げられています。(出所:2019年2月19日開催金融庁金融審議会市場ワーキング・グループ資料「ダークプールの現状と課題」)

  1. 投資家に十分な注文が見えなければ、投資家が取引機会を判断するための価格情報が不十分となり、 価格発見機能が低下する(市場価格の正確性が低下する)おそれがある。
  2. ダークプールが増えれば、流動性が分散し、投資家が流動性を探すコストがかかる他、情報分断の問題を引き起こすおそれがある。
  3. ダークプールの取引や取引情報へのアクセスについて取引参加者間で公平性が阻害されるおそれや、取引の執行方針等に関する情報が十分提供されないおそれがある。

金融庁における審議の進展によっては、法整備が行われる可能性もあります。ダークプールについての最新情報については、金融庁や東京証券取引書などのホームページでご確認ください。