ブルームバーグ、独自のESGスコアの提供を開始


ブルームバーグは2020年8月11日、 独自のESGスコアの提供開始を発表した。 今回の提供には、 オイル&ガスセクターの252企業の環境・社会(ES)スコアと、 複数の産業にまたがった4,300企業の取締役会構成スコアが含まれる。

ブルームバーグのサステナブルファイナンスソリューションのグローバルヘッドであるパトリシア・トーレス氏は、 次のように述べている。

ESGデータは投資のプロセスにおいて重要なものとなっています。 運用を支援し、 また金融プロフェッショナルが情報に基づいて投資判断を下すためにも、 透明性の高い全面的なスコアリング手法を基となるデータとともに提供することに、 私たちは好機を見出しています。 透明性の高いESGデータとスコアの提供により、 投資家の皆様に対して、 企業間での比較が困難な生データの解読を支援していきます。 企業に対してはこれらのスコアが、 各社のESGパフォーマンスのハイライトが容易に分かる、 価値の高い、 定量的かつ一般化されたベンチマークを提供します。

ESスコアは、 オイル&ガスセクターから提供を始める。 国際エネルギー機関(IEA)によると、 同セクターの企業は、 燃料燃焼に関連した二酸化炭素排出量の半分以上を占め、 世界のエネルギー関連の温室効果ガス排出量の15%を排出しており、これら企業の開示データは、一般的にはより強力なものとなる。ガバナンススコアは、長期的な戦略的パフォーマンスに対する適切なリーダーシップと監督機能を提供する上で、取締役会の役割について監視が強化されてきたことから、取締役会の構成から始める予定。

取締役会構成スコアによって投資家は、ある企業の取締役会が、多様な視点の提供と経営の監督という観点でどのような状態にあるか、また、現在の取締役会構成における潜在的なリスクがどのようなものかを、評価することができる。この定量モデルは、ブルームバーグのガバナンスの専門家によって設計され、ブルームバーグの経営陣および取締役会レベルのデータを活用している。スコアは、多様性、在職期間、社外取締役職兼務状況、独立性――の4つの主要な重点分野で、 企業の相対的なパフォーマンスをランク付けする。

ESスコアは、 企業の環境および社会的パフォーマンスを、データに基づいて測定するもの。投資家は気候変動や安全衛生など、 財務的に重要な、 事業に関連する業界特有の重要課題に関連するパフォーマンスを迅速に評価し、業界の競合他社と比較して企業活動を相対的に評価するために本スコアを利用できる。

ブルームバーグ独自のクオンツモデルは、持続可能性および産業のフレームワークと、ノイズの低減、データの正規化、企業規模の偏りに対する認識、情報開示ギャップに対する研究および分析に基づいている。

ESGスコアに加え、ブルームバーグは、数多くのサステナブルファイナンスソリューションを展開しており、投資家が投資プロセス全般にわたってESGを統合できるよう、データに基づいたインサイトを提供している。これには、企業が報告したデータや第三者のデータを組み合わせて標準化するソリューション、ニュースや調査コンテンツへのアクセス、ESG関連の投資家向けに特別に構築された分析・調査ワークフローが含まれる。

ブルームバーグ端末のユーザーは、データライブラリーからESGスコアを選択し、 {BI ESG <GO>}からスコアを閲覧することができる。