インベスコ、世界のソブリン・ファンドの動向に関する調査結果を公表


インベスコは、2013年9月30日、グループ初となる、世界中のソブリン・ファンドの複雑な投資行動に対するインサイトを提供する詳細なレポート、「インベスコ・グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ」を発表した。

ソブリン・ファンドの投資選好および戦略を理解するための独自のフレームワークを提供する同レポートでは、世界のソブリン・ファンドの間で最も成長している投資アプローチとして、‘パブリック-プライベート・パートナーシップ(PPP)’という手法が増加していることが示された。このアプローチは、ソブリン・ファンドが、GDP、雇用創生、技能移転をサポートするために、民間企業への直接的かつ戦略的な投資を行うもの。

インベスコによると、現在、ソブリン・ファンドが動かす金額は6兆米ドル3を超え、その動向が世界経済に大きな影響を与えており、ソブリン・ファンドによる投資がどのように、なぜ行われるかを理解することは、非常に重要であるとインベスコでは考えている。

インベスコ・グレーター・チャイナのCEOであり、インベスコ・グローバル・ソブリン・グループの共同代表を務めるデズモンド氏は、“本レポートで興味深いのは、多くのソブリン・ファンドが、自国内に目を向け、国内の各地域レベルの経済を発展させることを主要な目的としている点です。これは、国際的な戦略や優良な資産に、自国以外の地域に投資する‘一般的な投資家’の認識と異なります。”と述べている。

ソブリン投資家が最大規模の運用ファンドを保有する一方で、同レポートでは、多くのファンドが、民間企業とのコマーシャル・パートナーシップを通じて、地域の経済発展のために、多くのファンドに投資が行われ、今後数年で開発ファンドの数が増加する可能性があることを示している。中近東では、開発ファンドが設立されている他、ラテン・アメリカでは、より多くのファンド設立の計画が進んでいる。

インベスコによると、こうした‘直接的かつ戦略的な投資’は、資本を有するが専門的な知識の乏しいソブリン・ファンドが、専門的なスキルを習得し、世界的なパートナーとのリレーションを構築する機会として、行われており、また、民間企業にとっても、自社のスキルを中近東やラテン・アメリカに輸出することによって、事業を世界的な規模に拡大する機会となっている。

デズモンド氏は、“ソブリン・ウェルス・ファンドへのインタビューを通じて、全ての国において開発ファンドを作り、プライベート・インベストメントを念頭に置いて営利を目的とした投資ビークルを設立する投資機会を創設することがビジネスケースとして成り立つのではないかと考えます。確かに、我々のレポートでは、多くの国々が、余剰な資本を用いて、プライベート・パートナーシップを結ぶための同種のファンドを作ろうとしていることも示しています。アジアのソブリン・ファンドは、こうした分野で非常に活発であり、そのほかの世界のソブリン・ファンドが同じ道をたどるのかどうか興味深いところです。”と述べている。

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