コモンズ投信は、「コモンズ・インパクトファンド~共創~」の寄付プログラム、コモれび(社会課題解決プログラム)の第1回寄付先を、認定NPO法人3keys(代表理事:森山 誉恵)に決定し、70万円を寄付したと2023年10月2日に発表した。
コモンズ投信はインパクト投資を「社会的・経済的リターンの両方を狙うもの」と位置付けている。つまり、社会課題の解決と収益を両立させる投資である。
コモンズ投信は、かんぽ生命保険が受益者となる「コモンズ・インパクトファンド~共創~」を、株式会社Ridiloverの協力のもと2022年から運用している。同ファンドではかんぽ生命が重視する「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」をテーマとし、それに該当する投資先を選定している。しかし、コモンズ投信によると、それら企業の取り組みだけでは手が届かない領域が確かに存在する。
そこに寄付でサポートしようとする仕組みが「コモれび」である。コモンズ投信では、寄付は「未来への投資。次世代の未来に社会的リターンをもたらしてくれるもの」と捉えている。コモれびによって、社会課題をとりこぼしなく解決する一助を担っていく。また、寄付だけでなく、かんぽ生命とのコラボを通して社会課題を知る機会などを提供していく。
●コモれびの由来:かんぽ生命の実現したい「“あたたかさ”を感じられる社会」をもとに、インパクト投資でも届かなかった領域にぬくもりを届けるイメージから命名された。
寄付先決定プロセスについて
コモれびの仕組みとして、「Well-being向上」「地域と社会の発展」「環境保護への貢献」から1つテーマを選び、それに適う非営利団体の候補をコモンズ投信の社内委員会で3つ選出する。その中から、かんぽ生命・コモンズ投信の社員投票を経て各社の推薦先を決め、外部委員・かんぽ生命代表・コモンズ投信代表の出席する選考委員会で議論した末に最終的な寄付先を決定する。なお、同一テーマや寄付先が連続して選出されることを妨げない。寄付総額は信託報酬の約1%とし、その80%を決定した寄付先に、残りの10%ずつを他の2団体に提供する。
●コモンズ投信の寄付のしくみについて: http://www.commons30.jp/donation/
第1回 コモれび 候補3団体(50音順) テーマ:「親と子」
- 認定NPO法人3keys/森山 誉恵代表 https://3keys.jp
- 認定NPO法人ピッコラーレ/中島 かおり代表 https://piccolare.org
- NPO法人LivEQuality HUB/岡本 拓也代表 https://livequality.co.jp
選考委員会2023年9月5日開催
【外部委員】
安部 敏樹氏(株式会社Ridilover 代表取締役)
山田 泰久氏(日本非営利組織評価センター 業務執行理事)
【かんぽ生命】
浅倉 哲也氏(広報部 サステナビリティ推進室長)
【コモンズ投信】
伊井 哲朗(代表取締役社長)
馬越 裕子(マーケティング部 ソーシャル・エンゲージメント・リーダー)
委員と事務局メンバー
第1回 コモれびの応援先を認定NPO法人3keysに決定
認定NPO法人3keysは、虐待等で親元を離れ児童養護施設で暮らす子どもたちへの学習支援活動から2009年にはじまった。当時児童養護施設でボランティアをしていた森山代表が、虐待によって心の傷だけでなく、絵本の読み聞かせや親とのコミュニケーション、教育的サポートといった当たり前の権利が奪われていることを知ったことをきっかけに、この問題の認知を広め、関わる人を増やすために立ち上がった。現在は、児童養護施設で暮らす子どもたちだけでなく国内の子どもたちの支援、とりわけ、虐待や貧困をはじめとしたさまざまな理由で家族・親すら頼ることが難しい子どもたちへの支援を行っている。
『 ないがしろにされていい子どもはいません 』
かんぽ生命・コモンズ投信内のそれぞれで推薦先を選ぶ際、この森山代表の力強いメッセージに共感を寄せた社員がいた。「地理的・年齢的・課題的な対象の広さが魅力的」「子どもは自分で解決することは難しい」といった声も寄せられた。そうした声も考慮しつつ選考委員会で議論をした結果、今回の寄付先にふさわしいという結論となった。
かんぽ生命からの推薦の声(原文ママ)
- 「親」という子供を守る最も有力なセーフティがあったとしても、虐待や貧困が発生してしまっている、この状況は最も支援の優先度が高いように感じられました。(サービスセンター勤務)
- 子供が健全に育つ環境がなければ、国の将来はよくならない。子供への国の支援がなかなか進まない中で民間でできる事を行う事は重要と考えます。(本社勤務)
- 未来を担うすべての子供たちは平等であるべきだと思います。子供は親を選べません。悲しい現実が報道されるのを見ていて強く思います。(支店・エリア本部勤務)
- 最近、子供への虐待や自殺のニュースを見ることが多くなりました。将来の先行きが不安の中で、少しでも希望が見えたらと思いこちらの団体に投票しました。(本社勤務)
コモンズ投信からの推薦の声
- 厳しい環境下にある子供たちを支援していくという理念に共感します。次世代を担う子供たちに、出来るだけ取りこぼしがないような環境を提供していって頂きたいです。(50代男性)
- 今回の3団体の中では、10代のこども・若者に対する取り組みをいちばん積極的に行っていると考えられるからです。乳幼児に対する支援は行政も活発に行っていますが、10代、特に中学卒業後の10代後半に対する支援が行き届いてない部分も多く、そこにアプローチできるのが3keysではないかと考えられるからです。(50代男性)
授賞式は2023年9月28日(木)に3keysの事務所にて行われ、70万円が同団体に寄付された。なお、副賞として、ピッコラーレとLivEQuality HUBには8万円ずつを寄付する。コモンズ投信は、「両団体の活動にもご注目頂けると幸いです。かんぽ生命・コモンズ投信がタッグを組み、当ファンドの運用と寄付を通じて社会課題の解決に取り組んで参ります」と述べている。
コモンズ投信代表取締役社長伊井と3keys森山代表
3keys・かんぽ生命・コモンズ投信での集合写真