TIS、ESG情報の活用に関する共同研究を東京理科大学インベストメント・マネジメント、三井住友トラストAMと実施


TISインテックグループのTIS株式会社は、 東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社と、 非財務情報であるESG情報を活用し投資先企業の持続的な成長に向けた働きかけ(エンゲージメント活動)をデータ分析に基づき的確かつ効率的に行うための共同研究を実施していると2020年12月9日に発表した。

この共同研究は、 投資先のパフォーマンスに影響が大きい項目(エンゲージメント対象とすべきテーマ)をESG情報から抽出し特定することを目指す。 具体的にはESG情報(有価証券報告書や統合報告書など)をもとに企業を分類するモデルを構築する。ESG情報の収集・構造化・特徴抽出をTISが、 モデル構築を東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社が担い、 分析結果の検証を三井住友トラスト・アセットマネジメントが担当する。

ESG情報の活用に関する共同研究

TISは、 財務情報だけでなくESG情報をはじめとした非財務情報を含めたデータ基盤に基づく金融サービスを提供するための取り組みの一環として、 この共同研究に参画している。

TISは共同研究の背景について次のように説明している。

近年、 企業価値を正しく評価するためにESG情報を含む非財務情報への関心が高まっています。 しかし、 非財務情報はデータ量が膨大なだけでなく、 形態、 内容、 ボリュームが企業によって異なります。 そのため必要な情報の取捨選択に時間と労力をかける必要があり、 多くの企業が活用に苦慮しています。
そこでTISは、 ESG情報と投資リターンの関係分析に実績があるTUSIMと、 PRI(責任投資原則)への取り組みで6年連続A+の評価を受けるSMTAMと共に、 自然言語処理技術を活用したデータに基づく客観的かつ効率的な分析により非財務情報の活用を支援します。

共同研究の概要

  • 研究期間: 2020年2月1日(土)~2021年1月31日(日)
  • 概要: 自然言語処理を用いた企業情報分析によるエンゲージメント活動の的確・効率化

<共同研究の目的と研究ポイント>

  1. 企業公開情報の収集・正規化を行い自然言語処理により特徴を抽出する
  2. 抽出した特徴と評価の関係を、 因果推論により推定
  3. エンゲージメント活動を的確・効率的に行うためのモデル構築

今後について

TISは今回の共同研究で培った非財務情報取り扱い技術を、 来年リリース予定の非財務情報参照・点検サービスに活用していく。このサービスでは、 評価機関の開示要請項目やTCFDといった国際的な開示ガイドラインに沿って構造化した非財務情報を提供していく予定です。 これによりどの項目が開示できていないかなどをチェックすることができ、 事業会社には格付け向上や開示規制対応に、 金融機関には投資・融資先の開示促進や定性評価の情報源として利用できるようになる。