投資信託の運用残高ランキング(2021年2月)


グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)が1位に−運用残高は9,966億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年2月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アセットマネジメントOne株式会社が運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」が1位に浮上しました。

「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」は、日本や新興国を含む世界の証券取引所に上場している株式を対象に、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みなどの評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業の中から、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄を厳選して投資を行うファンドです。設定は2020年7月で、信託期間は2030年7月12日までです。販売会社は、みずほ証券みずほ銀行みずほ信託銀行

なお、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年2月末の純資産総額は前月比1.8%(金額で82億円)減少し4,373億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」だけです。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率37.0%(年率)、過去5年の騰落率が14.5%(年率)と、好調な運用成績を誇っています。

ひふみプラスの純資産総額の推移

 

純資産上位ファンドの投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが13本と最も多く、次いでアロケーション型、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券に投資するファンドと国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産総額上位ファンドの投資対象

 

資金増減状況

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、1月と同じく「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド《ゼロ・コンタクト》」で、資金増加額は507.7億円でした。これで、同ファンドは3ヶ月連続で500億円を超える資金純増となりました。「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド《ゼロ・コンタクト》」は、今後の成長が期待される、ゼロ・コンタクト・ビジネス(非接触型ビジネス)関連企業の株式を中心に投資を行なうファンドで、米国のアーク・インベストメント・マネジメントからの投資助言を受けて運用が行われています。設定は2020年7月でした。

なお、2021年2月に資金増加となったのは純資産上位30位ファンドのうち13ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年2月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 日興 デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 6,036 507.7
2 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,603 507.6
3 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 9,966 387.9
4 AM-One 投資のソムリエ 4,441 313.2
5 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,355 285.6

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無)」で、減少額は約108.02億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,514 -108.0
フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,072 -78.8
三菱UFJ グローバル・ソブリン・オープン(毎月) 3,562 -76.9
日興 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,582 -61.0
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,060 -55.2

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」

 

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち1年騰落率がプラスだったのは20本でした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は136.1%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,603 136.1%
2 三井住友DS グローバルAIファンド 3,671 112.7%
3 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,053 59.0%
4 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,849 56.2%
5 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,270 48.1%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本については、全てのファンドにおいて過去5年の騰落率(年率)はプラスでした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は24.8%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,514 24.8%
2 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,270 19.8%
3 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,708 19.7%
4 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,355 18.4%
5 アライアンス AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,796 18.0%

 

投資信託の純資産総額ランキング(2021年2月)(上位30位)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 9,966 387.9
2 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,603 507.6 136.1%

3 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,060 -55.2 -12.6% 3.7%
4 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,355 285.6 32.1% 18.4%
5 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,053 8.4 59.0%
6 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,849 -47.0 56.2%
7 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,514 -108.0 45.0% 24.8%
8 東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,323 -50.6 -4.4% 0.3%
9 日興 デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 6,036 507.7
10 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 5,825 -24.0 3.2% 5.4%
11 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,471 -14.6 -2.5% 4.6%
12 大和 ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,192 61.7 -2.1% 0.3%
13 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,072 -78.8 4.1% 6.3%
14 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,509 -20.8 36.9% 12.5%
15 AM-One 投資のソムリエ 4,441 313.2 2.9% 2.9%
16 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,396 41.5 37.4%

17 レオス ひふみプラス 4,373 -45.3 37.0% 14.5%
18 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,345 -21.8 -5.7% 3.5%
19 大和 ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,118 -23.2 31.9% 11.4%
20 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,880 24.8 0.6% 5.7%
21 大和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 3,800 133.9 -0.9% 3.8%
22 アライアンス AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,796 232.0 36.0% 18.0%
23 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,708 106.0 47.8% 19.7%
24 三井住友DS グローバルAIファンド 3,671 94.0 112.7%

25 日興 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,582 -61.0 9.9% 6.5%
26 三菱UFJ グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,562 -76.9 0.0% 0.9%
27 日興 スマート・ファイブ(毎月) 3,520 -14.1 -2.5% 2.3%
28 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,270 -15.2 48.1% 19.8%
29 さわかみ さわかみファンド 3,263 -41.3 28.0% 9.8%
30 日興 ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,221 -34.9 -3.0% 2.4%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)