国内最大ファンド・ランキング(2021年8月)


AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示が1位を維持−運用残高は1兆2,540億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年8月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆2,540億円で、前月から962億円増加しました。

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日。休業日の場合は翌営業日)に、分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックなど、米国のIT大手が並んでいます。(2021年8月末現在)

 

一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年8月末の純資産総額は前月比4.3%(金額で199億円)増加し4,825億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率19.4%、過去5年の騰落率が15.2%(年率)と、好調な運用成績を維持しています。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」と三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本です。

ひふみプラスの純資産総額の推移

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、次いでアロケーション型、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々3本、国内のREITに投資するファンドが2本、日本の債券に投資するファンドと外国の債券に投資するファンドが各1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産上位ファンドの投資対象

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が14本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が12本、年2回が4本でした。

純資産上位ファンドの分配頻度

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、月間増加額は約924億円でした。

なお、2021年8月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち15ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年8月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,540 924.4
2 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 6,068 403.5
3 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B(ヘッジ無)《nextWIN》 3,558 398.0
4 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 4,968 247.5
5 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 3,975 239.5

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》」で、減少額は約180億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 6,376 -179.9
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,503 -152.6
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,447 -140.1
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,476 -62.6
フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,999 -42.6

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンド全ての騰落率(運用成績)はプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、7月に続き三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率は54.4%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,337 54.4%
2 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B(ヘッジ無)《nextWIN》 3,558 44.7%
3 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,092 41.7%
4 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,595 41.7%
5 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,743 41.3%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった20本全てで過去5年の騰落率(年率)がプラスとなりました。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は28.1%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中3本がアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,648 28.1%
2 アライアンス・B AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 3,975 24.9%
3 アライアンス・B AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,540 24.7%
4 アライアンス・B AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,633 21.3%
5 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,595 20.9%

 

投資信託の純資産額ランキング-トップ30(2021年8月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,540 924.4 35.2% 24.7%
2 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 11,663 99.0 20.5%

3 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,503 -152.6 37.6%

4 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,476 -62.6 18.5% 7.8%
5 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,648 -4.2 32.4% 28.1%
6 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,549 -22.0 20.9%

7 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,743 10.2 41.3% 9.2%
8 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,666 42.8 39.3% 8.5%
9 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,447 -140.1 35.8%

10 日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 6,376 -179.9 27.6%

11 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,111 -41.6 4.3% 0.9%
12 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 6,068 403.5 36.4%

13 AM-One 投資のソムリエ 6,001 169.2 3.5% 2.8%
14 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,826 47.6 1.7% 0.4%
15 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,633 223.3 29.2% 21.3%
16 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,999 -42.6 17.5% 7.3%
17 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 4,968 247.5
18 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,932 -19.5 28.4% 13.6%
19 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,913 -22.0 33.5% 7.3%
20 レオス ひふみプラス 4,825 30.7 19.4% 15.2%
21 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,452 -21.0 29.3%

22 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,386 38.1 25.5% 11.5%
23 三井住友DS グローバルAIファンド 4,337 -17.2 54.4%

24 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 4,313 43.3 26.3% 6.6%
25 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,139 -27.0 27.2% 8.1%
26 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,092 79.3 41.7% 20.8%
27 アライアンス・B AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 3,975 239.5 35.5% 24.9%
28 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,595 -19.0 41.7% 20.9%
29 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズB(ヘッジ無)《nextWIN》 3,558 398.0 44.7%

30 日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,550 -3.2 3.9% 2.7%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)