「AB米国成長株投信D毎月（ヘッジ無）予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆7,804億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2022年11月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング（上位30位）（追加型株式投資信託、ETFは除く）は下表の通りでした。
アライアンス･バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が純資産第1位を維持しました。同ファンドの11月末純資産額は1兆7,804億円で、前月から952億円減少しました。
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時（毎月15日）に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。
| 毎計算期末の前営業日の基準価額 | 分配金額（1万口あたり、税引前） |
| 11,000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
| 11,000円以上12,000円未満 | 200円 |
| 12,000円以上13,000円未満 | 300円 |
| 13,000円以上14,000円未満 | 400円 |
| 14,000円以上 | 500円 |
（2022年11月末現在・出所 交付目論見書）
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日まで。同ファンドの月報によると、上位組入銘柄には、マイクロソフト、VISA、ユナイテッド・ヘルスグループ、アルファベット、バーテックス・ファーマシューティカルズ、コストコなど、米国のIT大手や日本でもよく知られた企業が並んでいます。（2022年11月末現在）
一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2022年11月末の純資産総額は前月比1.4%（金額で65億円）増加し4,778.91億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。
なお、ひふみ投信については、今年4月に「ひふみプラスを」含む「ひふみ」シリーズの運用体制強化のためにひふみ投信マザーファンドの運用責任者を離れていた同社の最高投資責任者である藤野英人氏が、ひふみシリーズの運用成績が不振であることから、顧客の信頼回復と運用の立て直しのために、ひふみ投信の運用責任者の職務に戻るとレオス・キャピタルワークスは12月23日に発表しました。
なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
- eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）
- ＜購入・換金手数料なし＞ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
投資対象
純資産額上位３0位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT（不動産投資信託）に投資するファンドが各3本、アロケーション型、日本の債券に投資するファンド、日本のREITに投資するファンドが各2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。この内訳は8月から変わっていません。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減（月中の販売額から売却額を差引いた額）を見ると、純資産額上位３0位までのファンドの中で資金増加額（純増額）が最も大きかったのは、2022年5月以降変わらず三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。同ファンドの11月の月間増加額は約660.9億円と大幅な資金流入が続いています。
なお、純資産上位３0位ファンドのうち2022年11月に資金増加となったのは、22ファンドでした。
月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中4本（eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド）はインデックスファンド で、いずれもつみたてNISA対象ファンドです。
＜月間資金増加額上位5位ファンド（2022年11月）＞
| 順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額（億円） | 月間資金増加額（億円） |
| 1 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 16,301.5 | 660.9 |
| 2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 7,638.4 | 379.2 |
| 3 | 楽天投信 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,423.7 | 256.0 |
| 4 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 7,263.2 | 252.0 |
| 5 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ﾍｯｼﾞ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,073.7 | 164.8 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「投資のソムリエ」で、減少額は約70.9億円でした。「投資のソムリエ」は基準価額の変動リスクを年率4％程度に抑えながら、安定的な基準価額の上昇をめざすファンドです。純資産額上位３0位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
＜月間資金減少額が最も大きかったファンド＞
| 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額（億円） | 月間資金減少額（億円） |
| One | 投資のソムリエ | 5,407.2 | -70.9 |
| アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ﾍｯｼﾞ有)予想分配金提示 | 3,900.3 | -64.2 |
| 東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,706.2 | -62.1 |
| One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,125.3 | -46.3 |
| 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) | 3,843.5 | -46.2 |
騰落率（過去1年）− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F（毎月）」
次に、純資産総額３0位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率（運用成績）がプラスだったのは15本だけでした。
純資産総額３0位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ピクテ・ジャパン株式会社の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、11月の騰落率は20.2％でした。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去１年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。5本中2本（eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》）は米国のS&P500指数への連動を目指すインデックスファンドでした。
| 順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額（億円） | 騰落率（1年） |
| 1 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 10,554.1 | 20.2% |
| 2 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ﾍｯｼﾞ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,073.7 | 14.7% |
| 3 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,112.3 | 12.7% |
| 4 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 16,301.5 | 5.1% |
| 5 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 7,263.2 | 5.1% |
一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》」で騰落率は−28.8%でした。
過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りで、全てハイテク銘柄を中心とした成長株に投資するファンドでした。
| 運用会社 | ファンド名 | 純資産額（億円） | 騰落率（1年） |
| ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ﾍｯｼﾞ無) | 6,292.9 | -23.6% |
| One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,125.3 | -23.8% |
| One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界》 | 4,799.1 | -27.7% |
| アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ﾍｯｼﾞ有)予想分配金提示 | 3,900.3 | -28.1% |
| 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,839.8 | -28.8% |
騰落率（過去5年）−騰落率トップは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B（ヘッジ無）」
また、過去5年の騰落率（年率）を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった24本のファンドのうち過去5年の騰落率（年率）がプラスになったのは20本でした。
過去5年の騰落率（年率）が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率（年率）は15.5%%でした。
純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はインデックスファンドでした。残り2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。
| 順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額（億円） | 騰落率（5年・年率） |
| 1 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 6,890.1 | 15.5% |
| 2 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,803.7 | 15.4% |
| 3 | 楽天投信 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,423.7 | 14.1% |
| 4 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ﾍｯｼﾞ無) | 6,292.9 | 13.1% |
| 5 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 6,890.1 | 12.4% |
投資信託の純資産額ランキング（2022年11月）
| 順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産（億円） | 資金増減（億円） | 騰落率（1年） | 騰落率（5年・年率） |
| 1 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ﾍｯｼﾞ無)予想分配金提示 | 17,803.7 | 151.4 | -9.9% | 15.4% |
| 2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 16,301.5 | 660.9 | 5.1% |
– |
| 3 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 10,554.1 | 51.7 | 20.2% | 7.9% |
| 4 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,125.3 | -46.3 | -23.8% |
– |
| 5 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 7,638.4 | 379.2 | 4.0% |
– |
| 6 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,423.7 | 256.0 | 2.5% | 14.1% |
| 7 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 7,263.2 | 252.0 | 5.1% |
– |
| 8 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ﾍｯｼﾞ無) | 6,923.3 | 97.3 | 2.0% | 9.8% |
| 9 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ﾍｯｼﾞ無) | 6,890.1 | 89.8 | -10.2% | 15.5% |
| 10 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ﾍｯｼﾞ無) | 6,880.7 | 57.6 | 2.7% | 8.7% |
| 11 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ﾍｯｼﾞ無) | 6,292.9 | 0.6 | -23.6% | 13.1% |
| 12 | 大和 | ダイワFW 日本債券セレクト | 6,176.6 | 29.8 | -5.5% | -0.6% |
| 13 | One | 投資のソムリエ | 5,407.2 | -70.9 | -11.3% | -0.5% |
| 14 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,112.3 | 85.3 | 12.7% | 6.8% |
| 15 | 大和 | ダイワFW 日本株式セレクト | 5,067.0 | 55.1 | 0.9% | 4.5% |
| 16 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界》 | 4,799.1 | -23.4 | -27.7% | 8.4% |
| 17 | レオス | ひふみプラス | 4,778.9 | 4.8 | -9.0% | 2.6% |
| 18 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,712.5 | -17.8 | -6.3% | 4.3% |
| 19 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,706.2 | -62.1 | -3.4% | -0.7% |
| 20 | One | 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 | 4,535.0 | 37.8 | -0.2% | 6.9% |
| 21 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 4,418.7 | 95.4 | 1.4% | 6.6% |
| 22 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 4,392.3 | 140.3 | 1.8% | 7.6% |
| 23 | ニッセイ | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 4,343.3 | 45.2 | 4.8% | 12.4% |
| 24 | 野村 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) | 4,333.7 | 23.3 | 4.8% | 12.4% |
| 25 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ﾍｯｼﾞ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,073.7 | 164.8 | 14.7% |
– |
| 26 | アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ﾍｯｼﾞ有)予想分配金提示 | 3,900.3 | -64.2 | -28.1% | 8.8% |
| 27 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) | 3,843.5 | -46.2 | -8.2% | 10.3% |
| 28 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 3,841.1 | 70.1 | 4.9% | 12.4% |
| 29 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,839.8 | -37.3 | -28.8% |
– |
| 30 | 三井住友DS | 日興FW・日本債券ファンド | 3,519.0 | 33.3 | -4.4% | -0.5% |
（データ出所：投資信託事情・イボットソン）
