国内最大ファンド・ランキング(2022年3月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆8,416億円

 

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2022年3月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

 

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆8,416億円で、前月から2,029億円も増加しました。

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

 

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、クアルコムなど、米国のIT大手が並んでいます。(2022年3月末現在)

 

一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2022年3月末の純資産総額は前月比6.1%(金額で264億円)増加し4,577億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

ひふみプラスの純資産の推移

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の6本です。ひふみプラスを除く5本はインデックスファンドです。

  • ひふみプラス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

 

 

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが19本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型が2本、外国の債券に投資するファンド、国内のREITに投資するファンド、国内の債券に投資するファンドが各々1本でした。

 

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

投資対象別内訳

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が17本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が9本、年2回が4本でした。毎月分配型の割合は減少傾向にあります。

分配頻度別内訳

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で、月間増加額は約661.34億円と大幅な資金流入が見られました。

 

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。

 

なお、2022年3月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち23ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンド、2本が三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズのファンドでした。また3本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はつみたてNISA対象ファンドです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2022年3月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 11,651 661.3
2 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 18,416 610.6
3 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,301 353.6
4 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 4,924 286.9
5 楽天投信 楽天・全米株式インデックス・ファンド 4,740 217.0

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、減少額は約73.1億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 5,072 -73.1
東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,411 -64.8
AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,227 -63.6
AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,131 -55.2
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,271 -37.6

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無)」

次に、純資産総額30位までの投資信託のうち1年以上の運用期間があった29本のファンドの騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは21本でした。

 

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、フィデリティ投信の「フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無)」で、騰落率は39.3%でした。

 

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。上位3位までを米国のリートに投資するファンドが占めています。また、残りの2本は同じ株価指数(S&P500指数)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,550 39.3%
2 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 7,380 37.9%
3 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 5,119 34.3%
4 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 11,651 30.0%
5 SBI AM SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 5,497 29.7%

 

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で騰落率は−34.1%でした。

 

騰落率(過去5年)−騰落率トップは「グローバルAIファンド」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった21本のファンド全てが過去5年の騰落率(年率)がプラスになりました。

 

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率(年率)は25.6%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中3本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,052 25.6%
2 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,907 22.3%
3 アライアンス・B AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,301 21.2%
4 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 18,416 21.1%
5 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,446 17.5%

 

 

【投資信託の純資産額ランキング(2022年3月)】

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 18,416 610.6 24.0% 21.1%
2 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 11,651 661.3 30.0%
3 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,227 -63.6 -1.4%
4 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 10,030 29.0 24.6% 9.3%
5 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,907 192.1 16.0% 22.3%
6 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,550 107.5 39.3% 11.5%
7 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 7,380 53.1 37.9% 12.4%
8 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,301 353.6 24.1% 21.2%
9 AM-One 投資のソムリエ 6,217 35.8 -5.2% 1.3%
10 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,131 -55.2 -8.2% 17.3%
11 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 6,017 16.4 -1.8% 0.2%
12 楽天投信 楽天・全米株式インデックス・ファンド 5,551 268.2 25.6%
13 SBI AM SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 5,497 268.1 29.7%
14 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,446 23.9 12.7% 17.5%
15 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,411 -64.8 -1.8% 0.2%
16 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,271 -37.6 2.4%
17 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 5,119 2.2 34.3% 9.7%
18 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 5,072 -73.1 -34.1%
19 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 4,924 286.9 20.5%
20 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,870 -30.3 12.9% 6.2%
21 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,630 28.4 2.2% 8.2%
22 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,612 22.2 -3.0% 8.8%
23 レオス ひふみプラス 4,577 71.7 -9.4% 7.8%
24 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,156 41.5 10.7% 16.6%
25 野村AM 野村外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(DC年金) 4,075 70.2 25.6% 15.3%
26 三井住友DS グローバルAIファンド 4,052 7.5 5.3% 25.6%
27 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,011 -9.8 12.4%
28 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 4,007 97.5
29 ニッセイAM <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスF 4,004 50.7 25.4% 15.3%
30 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 3,927 99.9 2.3% 5.7%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)