投資信託の運用残高ランキング(2020年3月)ー国内最大ファンドはピクテのグロイン


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、残高は9,100億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年3月末現在の運用残高で見る国内最大ファンドランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しましたが、同ファンドの2020年3月末の純資産額は前月末に比べ19%(金額で約2,105億円)減少し、9,119億円となりました。

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資に投資するファンドで、2005年2月28日に運用が開始されました。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。

また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の3月末の純資産額(運用残高)は4,646億円で、第8位に順位を一つ上げました。同ファンドの3月の純資産額の前月比で約1.5%減少しました。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、純資産額上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。

分配頻度

純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが14本と最も多く、次いで年1回分配ファンドが13本、年2回分配ファンドが3本でした。

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々4本、国内のREITに投資するファンドと国内の債券に投資するファンドが各々1本でした。

上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、ティー・ロウ・プライス・ジャパンが運用する「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》」で、資金増加額は約325.8億円でした。同ファンドは、主として米国の株式の中で、成長性が高いと判断される企業を中心に投資を行うファンドで、2019年12月27日に設定されました。

なお、2020年3月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち18ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年3月)>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 2,322 325.8
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,861 230.7
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 3,427 229.1
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,119 158.6
大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 4,680 154.0

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》」で、減少額は約113億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,816 -113.0
野村AM 野村外国債券インデックス(野村一任口座) 2,576 -93.0
日興AM ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,081 -79.0
野村AM 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) 2,418 -76.9
フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,878 -50.2

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「野村外国債券インデックス(野村一任口座)」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは4本だけでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、野村アセットマネジメントの「野村外国債券インデックス(野村一任口座)」で、騰落率は5.1%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率がプラスだったファンドは次の通りです。

 

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
野村AM 野村外国債券インデックス(野村一任口座) 2,576 5.1 %
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 3,427 4.9 %
三菱UFJ国際投信 グローバル・ソブリン・オープン(毎月) 3,970 3.0 %
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 3,786 2.3 %

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった21本について、騰落率がプラスだったのは13本だけでした。

この中で過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は11.1%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 3,427 11.1%
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 3,786 8.6 %
レオス ひふみプラス 4,646 7.0 %
日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,388 1.6 %
フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,231 1.2 %

 

 

投資信託の純資産総額ランキング(2020年3月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年)% 騰落率(5年・年率)%
1 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,119 158.6 -6.6 0.0
2 東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,816 -113.0 -4.3 0.6
3 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,093 38.0 -17.1 -1.4
4 大和 ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,088 -44.1 -0.5 1.1
5 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,878 -50.2 -11.9 -0.7
6 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,861 230.7 -1.3
7 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 4,680 154.0 -17.9 -1.9
8 レオス ひふみプラス 4,646 38.1 -6.4 7.0
9 One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,293 13.5 -18.1 -2.4
10 三菱UFJ グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,970 -46.8 3.0 -0.6
11 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 3,823 59.9 -0.0
12 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 3,786 152.1 2.3 8.6
13 日興 グローバル3倍3分法ファンド(1年) 3,498 66.7 -7.4
14 日興 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,448 2.7 -5.5 0.5
15 ゴールドマン netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 3,427 229.1 4.9 11.1
16 日興 スマート・ファイブ(毎月) 3,388 -24.5 -0.3 1.6
17 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,231 4.6 -6.4 1.2
18 大和 ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 3,099 -1.0 -6.8 0.9
19 日興 ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,081 -79.0 -25.5 -5.0
20 東京海上 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 2,868 -9.3 -4.3 0.6
21 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 2,843 90.6 -11.3 1.1
22 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 2,700 41.5 -5.9
23 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 2,639 84.3
24 大和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,616 112.5 -13.9 -0.2
25 野村 野村外国債券インデックス(野村一任口座) 2,576 -93.0 5.1 0.4
26 さわかみ さわかみファンド 2,547 -4.2 -10.8 -0.6
27 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 2,521 13.7 -0.3
28 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 2,425 -17.4 -5.7
29 野村 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) 2,418 -76.9 -6.5
30 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 2,322 325.8

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)