ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックス、中国債を採用


ブルームバーグは2018年3月23日、 中国人民銀行および財政部により計画中の市場アクセス改善に向けた措置が実施されたのちに、 中国人民元建て国債と政策銀行債をブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスに採用することを発表した。 これらの債券の追加は、 2019年4月より20ヶ月にわたり段階的に行われる。

グローバル総合インデックスに中国が追加された場合、 人民元建て債券は米ドル、 ユーロ、 日本円に次いで4番目に大きな発行通貨となる。 2018年1月31日付けのデータに基づくと、 同インデックスには人民元建て債券386銘柄が含まれるようになり、 53兆7,300億米ドル規模のインデックス時価総額のうち5.49%を占めることとなる。

ブルームバーグLPの創業者であり、 米国・人民元取引・決済に関するワーキンググループ(Working Group on U.S. RMB Trading and Clearing)の議長であるマイケル・ブルームバーグは次のように述べている。

本日の発表は、 世界で第三の規模にある債券市場へのアクセスを改善してきた中国による近年の継続的な取り組みを評価するものです。 金融改革と債券市場で起きている変化に取り組もうとする中国の確固としたコミットメントの証であり、 中国がグローバルな金融市場の一員として統合されるための重要なステップといえるでしょう。

グローバル総合インデックスに組み込まれるには、 自国通貨建て債券市場は投資適格であると格付けされ、 同通貨が自由に取引、 換金、 ヘッジが可能であり資本規制のないことが条件となる。 中国人民銀行による継続的な改善により、 人民元建て債券はこれらのインデックス適格最低必要条件を満たしている。

ブルームバーグによると、投資家が安心して利用でき、 市場がよりアクセスしやすいようにするため、 予定されているインデックス組み入れ開始日の前にさらなる改善が求められる。 DVP決済の導入、 ブロック取引のポートフォリオ間でのアロケーション、 徴税方針の明確化が改善事項に含まれます。 これらの改善が遅れた場合、 グローバル総合インデックスおよび他のブルームバーグ・バークレイズ・インデックスへの中国の追加も遅れることとなる。

米・人民元取引・決済に関するワーキンググループの共同議長を務めるヘンリー・ポールソン氏は次のように述べている。

このたびブルームバーグが、 世界で最も広く使われている債券ベンチマークに人民元建て債券を組入れたことは、 世界中の投資家にとって極めて重要な展開といえます。 国際的な債券ポートフォリオへの中国による新たな参加は、 活気ある市場活動への道を開くとともに継続的な金融改革の下支えとなるでしょう。

また、 ブルームバーグ・インデックス・グローバルヘッドであるスティーブ・バークリー氏は、 次のように述べている。

中国のインターバンク債券市場は今後も変化し続けますが、 ブルームバーグは、 このアセットクラスの成熟化をグローバルベンチマークに反映していきます。 2004年の中国総合インデックスおよび2017年のプラスチャイナ(+China)インデックスの設定に続き、 グローバル総合インデックスへの人民元建て債券の正式な組入れは、 世界中の投資家による期待に応えるうえで自然な流れです。

人民元建て債券は、 グローバル総合インデックスに加え、 2019年4月よりグローバル国債インデックスおよび新興国自国通貨建て国債インデックスへ組入れられる。

グローバル総合インデックス、 グローバル国債インデックスおよび新興国自国通貨建て国債インデックスへの中国債の組入れは、 2019年4月より5%のスケーリングファクターで開始され、 毎月5%ずつ増加。 20ヶ月間をかけて段階的に行われる予定。 ブルームバーグは、 当社の年次ガバナンスプロセスにおいて組入れ実施スピードを検証していく。

ブルームバーグは、 中国を除いたベンチマーク・インデックスの使用を望むユーザー向けに、 グローバル総合インデックス、 グローバル国債インデックスおよび新興国自国通貨建て国債インデックスのそれぞれについて、 中国市場を除いたインデックスも設定予定。 さらに、 中国へのエクスポージャーを制限したい投資家の皆様向けのキャップ付バージョンも開発する予定。