ブルームバーグ、中国人民元建てリキッドクレジットインデックスを提供開始


ブルームバーグは、 流動性が高く取引可能な人民元建て債券にトラックすることを目的とした中国人民元建てリキッドクレジット(LCC)インデックスの提供を開始することを2020年11月5日に発表した。 新たに提供開始となるLCCインデックスは、 2019 年 4 月より20か月にわたり段階的に進められてきた中国国債と政策銀行債のブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスへの統合作業の最終月を迎えたタイミングでの発表となった。LCCインデックスは、 ブルームバーグ・バークレイズの中国総合インデックスのルールに基づいて組成されているが、 さらに、 中国外貨取引センター(CFETS)での取引高や、 世界三大格付け機関による発行体の格付けに基づいて債券を選定する。

流動性が高く取引可能な債券の集合体によって構成される指標とするために、 LCCインデックスは独自の手法でCFETSの取引高をその他の基準に組み込んだ。具体的には、過去3か月で、少なくとも10%の営業日に相当する日数で取引され、且つ取引高総額が2億5000万人民元以上の債券であれば、インデックスに含まれる。

中国総合インデックスの標準的な基準に加え、 LCCインデックスの債券は以下の条件を満たす必要がある。

  • 世界三大格付け機関の内、 1社以上の格付け機関より投資適格債の格付けを取得している
  • 劣後債ではない
  • 残存期間が1年以上あること

また、 LCCインデックス内の債券は、満期まで保有されることとし、1つの発行体の上限は10%に制限される。LCCインデックスは、毎月リバランスされ、新規の採用銘柄は四半期に一度追加される。

2020年10月30日時点のデータでは、LCCインデックスは48発行体の125の債券で構成されており、これらの債券は公式のブルームバーグ・バークレイズ分類システム(BCLASS)上では政府関係債社債として分類されている。この時点での平均利回りは3.4%、デュレーションは1.9だった。

ブルームバーグ・インデックス・サービス・リミテッドのCEOであるスティーブ・バークリー氏は、 次のように述べている。

国債や政策銀行債がグローバル総合インデックスに組み込まれた今、 LCCインデックスは中国クレジット市場の透明性とアクセシビリティをさらに高めていくために重要な役割を担います。 今回の新しいインデックスが、 中国クレジット市場の特性に対する投資家の理解を助けることに期待しています。 投資家や運用者は、 新しい金融商品の提供、 デリバティブ(金融派生商品)の契約、 従来のベンチマーキングなど、 あらゆる取引の場面でこのインデックスを活用できます。

CFETSの人民元建て債券市場部門のジェネラル・マネージャーであるリ・メイジン氏は、 次のように述べている。

CFETSは、 現在7兆米ドルの規模となった中国クレジット市場の流動性を高めるべく、 ここ数年間、 取引サービスやソリューションズの向上に努めています。 ブルームバーグのLCCインデックスに取引データを提供できることを大変嬉しく思います。 LCCインデックスが、 中国クレジット市場に投資する世界中の投資家の間でより多く活用され、 流動性が高まり投資が促進されることを期待します。

イー・ファンド・マネジメントの債券部門最高投資責任者でシニア・マネージングディレクターであるフ・ジアン氏は、 次のように述べている。

LCCインデックスの提供開始は、 世界の投資家に対して中国オンショアクレジット市場を知ってもらうための重要なステップであり、 世界での格付けや流動性、 分散投資などといった重要な情報へのアクセスを向上します。 ブルームバーグの中国インデックス群が今後も発展を続けることに期待しています。 また、 世界中の当社のお客様に対して、 オンショアクレジットのソリューションズを提供し、 お客様の投資ゴール達成に向けてサポートできることを嬉しく思います。

2020年11月上旬、 ブルームバーグは、 ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスに中国債の追加を完了し、 主要インデックスに中国債の追加を果たした世界初のグローバル・インデックス・プロバイダーとなった。 同社では、これは、 世界的に重要な中国債券市場の投資可能性における大きなマイルストーンとなると見ている。中国の債券は、 現在インデックスの6%を占め、 中国人民元建て債券は、 米ドル、 ユーロ、 日本円に続いて4番目に大きい現地通貨建て債券となる。 リキッド・チャイナ・クレジット債券は、 ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合インデックスには、 現時点では含まれていない。