国内最大ファンド・ランキング(2023年7月)


「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を維持−運用残高は2兆4,610億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2023年7月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、6カ月連続で1位を維持しました。月末純資産総額は2兆4,610億円でした。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数の「S&P500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。2018年7月に設定され、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内(税込)。また、同ファンドはつみたてNISA対象ファンドです。

「eMAXIS Slim」は三菱UFJ国際投信が運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。2023年8月28日現在、次の13本のインデックスファンドが運用されています。三菱UFJ国際投信では、eMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。

  • eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX
  • eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
  • eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
  • eMAXIS Slim 国内債券インデックス
  • eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
  • eMAXIS Slim 国内リートインデックス
  • eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

eMAXIS Slimのホームページ→https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/

 

一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2023年7月末の純資産総額は前月比1.5%(金額で76億円)増加し5,308億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

ひふみプラスの純資産総額の推移

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。

  • ひふみプラス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが20本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、日本のREITに投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、日本の債券に投資するファンド、アロケーション型が各1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産上位の投資信託の投資対象

注目の資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、4ヵ月連続してインベスコ・アセット・マネジメントの「インベスコ 世界厳選株式オープン<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》」でした。同ファンドの7月の月間資金増加額は約847億円と大幅な資金流入が続いています。

「インベスコ 世界厳選株式オープン<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》」は、日本を含む世界各国(エマージング国を除く)の株式のうち、独自のバリュー・アプローチによりグローバル比較で見た割安銘柄に投資するファンドです。MSCIワールド・インデックス(円換算指数)をベンチマークとしています。また、原則として為替ヘッジを行いません。

なお、純資産上位30位ファンドのうち2023年7月に資金増加となったのは、19ファンドでした。

月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中3本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》)はインデックスファンド で、これら3本はつみたてNISA対象ファンドです。

<月間資金増加額上位5位ファンド(2023年7月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 7,332.6 847.1
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 24,610.3 709.1
3 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 13,363.1 630.7
4 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 20,080.4 250.6
5 SBI AM SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 10,501.8 246.2

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、減少額は約222億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。7月も5本中4本が米国を中心とするハイテク成長株に投資するタイプのファンドでした。

<月間資金減少額が最も大きかったファンド>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 9,727.7 -222.1
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,218.5 -95.6
One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,102.4 -84.5
ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 8,312.8 -81.2
大和 ダイワFW 日本株式セレクト 5,939.9 -51.6

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは24本でした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界》」で、騰落率は33.4%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,102.4 33.4%
2 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 9,727.7 32.6%
3 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) 4,162.4 27.4%
4 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 7,332.6 26.5%
5 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) 8,312.8 25.1%

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、アセットマネジメントOneの「新光 US-REIT オープン《ゼウス》」で騰落率は−8.5%でした。

過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りです。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
One 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 4,547.4 -8.5%
One 投資のソムリエ 4,802.1 -4.0%
フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,048.1 -3.1%
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,381.6 -2.9%
大和 ダイワFW 日本債券セレクト 6,494.6 -2.1%

騰落率(過去5年)−騰落率トップは「グローバルAIファンド」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった26本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは24本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、5年騰落率(年率)は19.2%でした。

純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,219.7 19.2%
2 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 8,195.7 18.3%
3 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 20,080.4 18.2%
4 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 8,312.8 17.7%
5 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 24,610.3 17.3%

【投資信託の純資産額ランキング(2023年7月)】

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 24,610.3 709.1 19.5% 17.3%
2 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 20,080.4 250.6 17.6% 18.2%
3 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 13,363.1 630.7 19.4%

4 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 10,551.3 197.6 18.8% 16.4%
5 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 10,501.8 246.2 19.4%

6 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 10,424.3 21.3 2.8% 9.8%
7 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 9,727.7 -222.1 32.6%

8 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 8,312.8 -81.2 25.1% 17.7%
9 アライアンス アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) 8,195.7 -8.3 17.8% 18.3%
10 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 7,636.5 -22.1 -1.7% 11.6%
11 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 7,332.6 847.1 26.5% 10.3%
12 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,048.1 20.9 -3.1% 10.2%
13 大和 ダイワFW 日本債券セレクト 6,494.6 141.5 -2.1% -0.6%
14 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,102.4 -84.5 33.4% 12.6%
15 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,955.0 135.4 9.8% 8.0%
16 大和 ダイワFW 日本株式セレクト 5,939.9 -51.6 20.0% 7.8%
17 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 5,508.9 54.2 20.2% 15.1%
18 野村 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) 5,461.5 66.0 20.1% 15.1%
19 レオス ひふみプラス 5,308.3 -19.0 17.6% 4.7%
20 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 5,254.5 96.1 20.2%

21 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 5,191.7 83.1 20.2% 15.2%
22 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 5,105.9 -4.8 17.4% 7.4%
23 One 投資のソムリエ 4,802.1 -41.0 -4.0% -0.4%
24 キャピタル キャピタル世界株式ファンド 4,580.0 113.1 19.1% 14.0%
25 One 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 4,547.4 38.7 -8.5% 7.7%
26 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,381.6 15.2 -2.9% 5.3%
27 三井住友DS グローバルAIファンド 4,219.7 -14.8 21.5% 19.2%
28 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,218.5 -95.6 14.2% 11.8%
29 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) 4,162.4 147.1 27.4% 16.4%
30 One DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> 4,056.7 15.3 20.0% 14.9%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)