国内最大ファンド・ランキング(2021年9月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆2,757億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年9月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆2,757億円で、前月から217億円増加しました。

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日。休業日の場合は翌営業日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、フェイスブックなど、米国のIT大手が並んでいます。(2021年9月末現在)

 

一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年9月末の純資産総額は前月比約1%(金額で46億円)増加し4,871億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。ひふみプラスは過去1年の騰落率16.5%、過去5年の騰落率が14.6%(年率)と、好調な運用成績を維持しています。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、楽天投信の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の3本です。

ひふみプラスの純資産総額推移

 

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドが4本、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが3本、国内のREITに投資するファンドとアロケーション型が各2本、日本の債券に投資するファンドと外国の債券に投資するファンドが各1本でした。純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産上位ファンドの投資対象

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が15本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が10本、年2回が5本でした。純資産上位のファンドでは、毎月分配型の割合は減少傾向にあります。

純資産上位ファンドの分配頻度

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、月間増加額は約1,127.29億円でした。

なお、2021年9月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち17ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。5本中3本がアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年9月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 アライアンス・B 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,757 1,127.3
2 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 6,442 493.7
3 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 4,055 272.3
4 アライアンス・B 米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,387 256.2
5 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B(ヘッジ無)《nextWIN》 3,797 246.0

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》」で、減少額は約222億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 5,660 -222.4
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,610 -149.5
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,145 -143.6
東京海上AM 円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 5,993 -79.4
レオス ひふみプラス 4,871 -60.2

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンド全ての騰落率(運用成績)はプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率は52.1%でした。グローバルAIファンドは、世界の上場株式の中からAI(人工知能)の進化、応用により高い成⻑が期待される企業の株式に投資を行うファンドです。信託報酬は1.925%(税込み)。設定日は2016年9月9日で、信託期間は2026年9月25日まで。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,140 52.1%
2 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B(ヘッジ無)《nextWIN》 3,797 45.8%
3 大和AM US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,554 44.6%
4 楽天投信 楽天・全米株式インデックス・ファンド 3,534 41.9%
5 フィデリティ投信 USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,471 41.5%

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった21本全てで過去5年の騰落率(年率)がプラスでした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのも、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率(年率)は30.5%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,140 30.5%
2 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,432 27.4%
3 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,310 24.6%
4 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 4,055 24.4%
5 アライアンス・B 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,757 24.2%

 

 

【投資信託の純資産額ランキング(2021年9月)】

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B 米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 12,757 1,127.3 34.5% 24.2%
2 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 11,384 76.3 17.9%

3 ピクテ グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 8,860 -12.2 12.8% 6.6%
4 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,610 -149.5 26.1%

5 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,432 57.0 35.7% 27.4%
6 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,310 -55.2 19.3% 24.6%
7 大和 US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,554 1.9 44.6% 9.6%
8 フィデリティ USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,471 19.9 41.5% 8.8%
9 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 6,442 493.7 39.9%
10 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,145 -143.6 32.7%
11 One 投資のソムリエ 6,126 194.8 1.8% 2.7%
12 東京海上 円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 5,993 -79.4 3.6% 0.8%
13 大和 ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,876 78.1 0.8% 0.3%
14 日興 デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 5,660 -222.4 21.1%

15 アライアンス・B 米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 5,387 256.2 26.8% 19.9%
16 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 5,090 -11.3 27.9% 13.9%
17 フィデリティ USハイ・イールド・ファンド 5,012 -54.9 21.0% 8.1%
18 レオス ひふみプラス 4,871 -60.2 16.5% 14.6%
19 日興 グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 4,765 174.4
20 One US-REITオープン《ゼウス》 4,763 -31.6 36.5% 7.7%
21 大和 ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,631 30.5 25.2% 11.8%
22 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,331 47.9 31.2%

23 大和 J-REITオープン(毎月) 4,158 57.0 23.6% 5.8%
24 三井住友DS グローバルAIファンド 4,140 -17.9 52.1% 30.5%
25 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 4,055 272.3 34.7% 24.4%
26 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,009 45.0 37.0% 20.2%
27 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,954 -2.2 23.6% 7.2%
28 ゴールドマン GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズB(ヘッジ無)《nextWIN》 3,797 246.0 45.8%
29 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド 3,534 163.0 41.9%
30 さわかみ さわかみファンド 3,512 -20.8 25.6% 10.6%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)